暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
108話:約束と理想
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聞こえる声で、言った。
「それでも…俺は…ッ!」
両手が拳に変わる。悔しさだろうか、怒りだろうか。色んなものが混じった感情を抱く中、男は……
「あいつらを、世界を守る…!」
何も、変わっていなかった。
「…そうか」
そう返す男、だが力の一欠けらも残されていないこの男に、力に見放された≠アの男に、それができないことは分かりきっていた。
誰かを、何かを守るというのは辛く、長いものだ。だが壊れるのは一瞬、人は心臓が止まり機能が停止したら、物は形を成さなければ…それはもう、人や物ではなくなる。
―――そう、破壊≠ヘ一瞬だ。
「ならば死ね―――偽善者=v
首を飛ばせば、同じこと。人も簡単に壊れる。
剣は男の首へと進む、男の首を飛ばす為。未だ俯く男を…壊す為に。
「―――だとしても、俺は…ッ!」
俯く男は呟く、男の言葉は確かに正しい。しかしそれでも、自分は諦めない、と。
しかし無慈悲にも、剣は首を取らんと突き進む。そして遂にそこへと到達し―――
―――瞬間、
バチリッ…と。
放電したかのような音が響き渡った。
黒く暗い空間に、浮かんでいる。
上下左右が定まらない、まるで宇宙にいるようだ。否、まさにそこは宇宙だ。
しかし、そこには星一つ輝いていない。
空っぽの宇宙(そら)、空っぽ星。何もないそこに、ただ浮かんでいた。
『いつでもどこでも、誰かの笑顔の為に頑張れるって、凄く素敵なことだと思わない?』
そこへ突然、声を掛けられた。
気づいたら目の前に立っている人。否本当に立っているのかは、分からないが。
「…でも俺は、あなたのように強くない。不特定多数の誰かの為に、戦えるような人間(ひと)じゃない」
彼が誰なのかはわかった。いるのは確かだが、顔や姿がボンヤリしていてはっきりしない。でも誰なのかわかった、だからそう言えた。
襲われる恐怖、大切なものを失う恐怖、自分が自分じゃなくなる恐怖。色んな恐怖の中でも、彼は弱音を吐かずに戦った。誰かの笑顔の為に。
『それでも、守れるものが…守りたいもの≠ェある筈だよ』
「ッ…」
『俺みたいじゃなくていい、守りたいものなんて…譲れないものなんて人それぞれなんだから。皆違うのは、当たり前だよ』
悩むことは当たり前だ、皆悩んで大きくなる、成長する。悩んで悩んで、悩み抜いた後、自分が本当に好きだと思える自分を目指せばいい。
「自分が、本当に好きだと思える自分…」
『うん』
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