暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
108話:約束と理想
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ワードメンバー、出動!」
「行って来い!」
「「「「はいッ!」」」」


 二人の言葉に後押しされ、4人は駆けていく。
 なのはとヴィータ、二人だけになった空間で、ヴィータは口を開いた。


「…あれだけ、だったのか?」
「うん?」
「士の言葉だよ」


 もうちょいなんか言ってそうだなと思ったんだが……


「あれだけだよ、あの子達に対しては」
「……そうか」


 それだけ言って、ヴィータは動き始めた。なのはもそれに合わせて、ヴィータを追う様に歩き出した。

 そう、フォワード4人には、あれだけだ。
 ただ…なのは個人に対してのメッセージも、あった。


『無理だけはするなよ、それから…生きて会おう』


 それだけ、あまりにも素っ気ないものだ。
 だがそれだけでも、なのはにとっては十分だった。それだけ彼が自分を信頼し、かつ心配しているのだというのが感じられたからだ。

 彼は今も目覚めていない。生きて会おうというのは、何か違和感を覚えるが…
 目覚めないと、決まった訳ではない。そうなるまでにヴィヴィオを助けて、この件に決着をつけて、そしてら…


 目覚めた彼に、胸を張って「どうだ」と言ってやるとしよう。
 自分はこれだけ、力を付けたのだと。彼が居なくても、自分達は戦えるのだと。胸を張って言おう。

 そう心に秘めて、なのはは戦場へと向かうのだった。
























 水面に波紋が広がる。その元は、水面上についた両膝の所為だ。
 荒く吐かれる呼吸、異様なほどに上下する肩。だらりと下がった両手からも、酷く疲労してるのが分かる。

 当然だろう。今まで殴られ、蹴られ、切られ。そのくせ反撃は一回も決まらないのだから。


「やっぱり、その程度ってことだな」


 ん? と首を傾げる男、両手を広げて悠然と佇む。その姿はどこか近代的で、赤い大きな瞳の姿になっていた。
 対する仮面の男は、ただ顔を上げるだけ。仮面で隠れているが、相手にはどんな表情をしているか手に取るように分かった。


「何にも守れないんだよ、その程度のお前には。人の愛≠熈夢≠焉A心≠熈思い出≠烽ネ」
「…………」


 その言葉に、息を荒くしながらも、仮面の男はゆっくりと起き上がる。よろよろとした足取り、腰に取り付けられたバックル。白い部分に描かれている筈の紋章が、いくつも消えていた。


「それでも…諦められるかよ」
「そうだろうさ、お前≠ヘそういう奴だ」


 だが敵は強大だ、それだけでは敵わない。そう言うと男は剣先を相手の眼前に向ける。いきなりの事で驚き一歩下がった。


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