マブラヴ
1238話
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クセルに褒めて貰えて何よりだわ。それより、アクセルはスキー出来るんでしょ? ちょっと教えてくれない?」
「は? 俺がか?」
「そ。身体を動かす事なら、アクセルに聞けば間違いないでしょ」
「いや、確かに俺は身体を動かすのは得意だけど、教えるのはそんなに上手くないぞ?」
俺自身、自分の身体能力が高いのは理解しているが、基本的には直感頼りの人間だ。いや、混沌精霊だけど。
こう言っては自画自賛しているようで嫌だが、俗に言う天才肌って奴。
こういうのは、きちんと論理的に考えられる奴の方が似合っていると思うんだが……夕呼はそんな俺に構わず、手を引っ張る。
「ほら、教えて頂戴」
「あー、分かった分かった。まずはそうだな。初心者だとボーゲンからだな」
「あら、それくらいは知ってるわよ。ハの字型にするんでしょ?」
「分かっているなら話が早い。まずはそれを使って真っ直ぐ滑られるようにするところから始めるぞ」
そう告げ、夕呼を引き連れて坂を上っていく。
「ちょっと、自力で上って行くの? リフトは?」
「初心者がいきなりリフトに乗って上から滑るなんてのは、自殺行為だ。お前がやるべきは、まずスキーになれる事だから、俺の真似をして上に上がってこい」
「……分かったわよ。しょうがないわね」
若干不満そうにしながらも、夕呼は俺の真似をして、スキーをハの字の逆の形にしながらゲレンデを上がってくる。
幸い俺達がいたのはゲレンデの下の方で、坂の角度もそれ程急な訳ではない。
だからこそ夕呼も特に疲れる様子もなく、ある程度上の方へと到着する。
「ふぅ、ちょっと疲れるわね」
……訂正。何気にこの程度でも夕呼にとっては十分な運動になっていたらしい。
「お前、幾ら何でも運動不足すぎないか? ほら、向こうを見てみろ。霞や麗華だってあんなに元気に走り回ってるんだぞ」
視線の先にいるのは、昨日に引き続きソリを持ってゲレンデを上っている霞と麗華の姿。
いつも落ち着いている霞だが、年齢相応に笑みを浮かべて楽しんでいるのが分かる。
久しぶりに友人と会えて遊べているというのもあったし、そもそもこのスキー旅行自体霞の提案だったからな。その辺の夢が叶って嬉しかったというのもあるんだろう。
そんな風に考えながらも、ようやくある程度の高さの場所に到着すると、本格的にスキーの練習を開始する。
「ほら、身体が揺れてる。動かすなとは言わないけど、不自然に揺らすな」
「そう言っても……ちょっと、これ本当に大丈夫なんでしょうね?」
ボーゲンで滑りながら文句を言ってくる夕呼だったが、その動きは色々と怪しいのも事実だ。
やがて、曲がらずに真っ直ぐ一直線に斜めに滑っていき……
「キャーッ! ちょっ、ちょっと、ア
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