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シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
人外
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夫か?」
「うん……、ちょっと痛むけど、傷が広がったりはしてないよ」
「そうか。でも、直ぐに傷を洗った方がいい。雑菌が入ったら大変な事になる」
「そ、それなら私が、私が水を取ってくるわ!」
「待って、まり子さん。今は単独行動はしない方がいい!」
「なんだよおい? 今更点数稼ぎのつもりかよ?」
「やめなさい大祐。今はそんな事言ってる場合じゃないでしょ。……修平 私、少ないけど水持ってるから、これ使って。後ハンカチも」
「ああ、ありがとう悠奈」
「……だ、大祐も、もうやめるです! 今はそれより……琴美と、日影さんの事が心配なのです」
「そうだな。初音の言うとおりだ」
「うん……、無事に戻ってきてくれるといいんだけど」
危険なプレイヤーがゲームに潜んでいる可能性は十分に予測していた筈だったのに――…。ああして、襲撃されるまで、違う……、刀真が叫んで伝えるまで何の行動も取れなかった。そして、自衛手段も持ちえていないのも明らかな判断ミスだった。
現に、琴美は傷を負ってしまい、刀真も無事に戻ってくるかどうかわからない。その2つの事柄に修平が己の甘さを痛感していた。
「修平。これも使って。ハンカチと一緒に、ティッシュ」
悠奈はポケットの中に入っていたそれを修平に差し出した。
「あ、ああ……ありがとう。悠奈」
修平は、そう言うと、再び琴美の傷の手当を始めた。
「……刀真の事なら、心配要らないわよ」
「え?」
「なんていったて、頼れるナイト様だからね」
悠奈はウインクをしつつそう言う。
悠奈自身も甘かったと、痛感はしていた。自分自身は強く危険性を理解していたつもりだが、皆にそれを伝えきれていなかったのがいけなかった。おまけに刀真が叫び声をあげるまで、襲撃者に気がつかなかった事もだ。
「で、でも……相手は危ない武器を持ってるです」
「……大丈夫だって、初音。アイツを倒そうと思ったら、銃でも持ってこなくちゃね? ……あーー、銃でも無理かもしんないけど」
「銃でも無理って……」
初音の言葉に笑ってそう答える悠奈。そして、銃の言葉を聞いて表情を引きつらせる大祐。悠奈は自分の事より、後悔し続けるより、皆のこの空気を変えつつ、危険性を再度認識させようと勤めたのだ。
「とにかく、皆は勿論、大祐だってよく解ったでしょ? このゲームは思った以上にヤバイって。これでもアンタは別行動を取りたいって思ってる? ……危険度が格段に増すわよ? そんな中に初音を連れて行くって言うなら、尚更許せないから、1人になるわよ? 矢が飛んでくるような所で」
「……い、いやー、さすがに考え変わったわ」
「あそ、それは良かったわ」
悠奈は笑いながらそう答える。だが、まり子には疑問が残っていた。
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