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シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
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信用だって無理だっつーの!」
大祐はその考えは決して曲げなかった。
彼女に与えられている条件・能力が危険なのは十中八九間違いないと思われる。大祐じゃないが、協調性の重要性を重視し、且つまり子の人間性ならば、それ以外に公表しない理由が無いからだ。
「はぁ……、わかったわ。ねぇまり子。あなたのクリア達成には絶対に協力するって約束するから、クリア条件と特殊能力を皆に話してくれない?」
「それは……、でも……」
「け、ほら見ろよ! やっぱ行こうぜ、初音ちゃん」
「だから、それだけは駄目だって。オレのせいで信用できない・危険だって言うなら、責任もってまり子の事は見ててやる」
「ふ〜ん。刀真。アンタ、女の子の事逐一見ているつもりなの? イヤらしい考え持ってるんじゃないの?」
悠奈は軽くニヤつきながらそう言う。
そんなつもりは毛頭ない刀真だが、その手の話の展開は好手だと思えた。
「えっ……そ、それは……っ」
「アホ……。何の為にお前がいるんだよ」
刀真はやれやれとしつつ、そう返していた。こんなときなのに……、そんな風に話している姿を見たら。
「あ、あはは……」
初音も自然と笑みが毀れていた。
「は、初音は、皆と別れたくないのです。一緒に……一緒にクリアしたいって思ってます。勿論、その中に大祐がいてくれた方が良いのです」
はっきりと自身の考えを言う事が出来ていた。
正直、悠奈の言葉を聞いた初音は大祐と共に行く事に躊躇いが生まれていたのだ。流されるままに、なりそうだったそれを、初音の手で止めた。……それが、最悪な結末を防ぐ最良の手立てとなっていたことを、誰も知らない。
「ったく……なーんで、こんな時に漫才できんだっつーの。1人で怒ってるオレが間抜け見てーじゃねーか」
「はは……、ん? 大祐はこう言う空気の方が好きそうな気がしたが……、違ったか?」
「ぅ…。ま、まー、ギクシャクするくれーならこっちが良いが……、でも、それは疑惑を解決したらだろ?」
会話の話題、方向を上手く変えられたと思えたが、まだのようだった。
だが、まり子も少しずつ……少しずつだが、表情が変わってきているのが解る。もう少し時間があればと思っていたが。
―――時間は無かった。
「っ!! 皆、伏せろ!!」
刀真が声を上げた。
それは突然の事、さっきまで緊迫した空気と仄々した空気がちょこちょこ入れ替わっていた為、いきなりそんな事を言われて直ぐに反応できるものは誰もいなかった。
その叫び声の直後。
風を切り裂く音が聞こえてきたのだった。
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