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シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
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ゆっくりと歩いて悠奈の隣に来た刀真は軽く笑うと。

「おい。止めようとする側がケンカ腰でどうするんだよ。場を さらに険悪にするな」
「ッ……と、そうね。言い方が悪かったわ。それについては謝るわ。ごめん大祐」

 いきなり謝られたことに戸惑いを隠せない大祐は少し驚きながら言う。

「えっ? な、なんだよ。変に素直だな」
「別に、ケンカをしたいと言うわけでもないだろう? だが、確かにオレも初音を連れて行くと言うのには賛同できないがな」
「そうよね。私達は仲間、なんだから。争ってプラスになる事なんてはっきり言って1つもないんだからさ」
「確かに仲間内ならそうかもしんねーけど……そもそもオレには、ここにいる全員が≪仲間≫とは思えねーんだよ。信用できないやつと、一緒になんていられないだろ? 寝首かかれるかもしれねーんだぜ?」
「そうね、でもそれを曲げてでも、1つに纏まるべきよ」
「……見たとおり此処は異常空間だしな。それにまだ初日だ。結論を出すのにも早すぎるだろう?」

 悠奈と刀真は静かな口調で言っていた。
 大祐はまり子の事はまだ、許せず、信用も出来ないようだが、2人の言葉で次第に熱も冷めていっているようだった。

「……この際だから、皆に言っておくわ。私はこの先の、参加者全員を仲間にすべきだって思っているの」
「参加者全員を、仲間に……?」
「そ、だってそれさえできれば、全員で協力して、効率的にクリア条件を達成する事が出来るじゃない?」
「まぁ……それが一番の理想的状況だな。その分難易度は遥かに高いが」

 刀真もその考えの難しさは認めているものの、否定はしていないようだった。

「………」

 確かに全員が仲間になれば、クリア達成は早いだろう。
 だが、それは『全員のクリア条件が競合していない』と言う前提に基づいた考え方だ。

「なに、修平。私の言ってる事に同意できない?」
「はぁ……、だから、難しいってオレが言ったばかりだろう? 修平が慎重になるのは仕方ないだろうに」
「それはそうだけど、やっぱ 同意してほしいじゃない」
「……強引過ぎだ。それ」

 呆れたように言う刀真と悠奈。

 険悪な空気の中、2人だけが全くブレない。修平は不思議だった。初めこそは、2人を信用するのはまだよそうと考えていた筈なのに……。何処か信じる事が出来る。と思っている自分が、心のどこかにいる様なんだ。
 まだ、表に出てきていないだけで。

「はっ! 綺麗事だ! 参加者全員が仲間になるなんてよ! そんなの無理に決まってるだろ?大体ここにいるまり子だって、そうだ。刀真の仮設が正しいってんなら、コイツの特殊能力やクリア条件も危険なものかもしれねーじゃねえか! そんなあぶねえヤツの仲間になんざなれねぇよ! それに
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