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シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
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ん。言うべきときには、ちゃんと言わなきゃさ。どう考えたってまり子が悪いんだ。そうだろ? みんな」
「っ………」
「……」

 大祐の問いにまり子と琴美は黙った。

 刀真は、少し後ろで話しを聞いていたから、大祐たちの会話には入ってなかったから、その発生を止めることは出来なかったが、今回は、いつもに増して危険だ。彼女が孤立しかねないからだ。

「少し頭を冷やせ。まり子もそうだが、大祐もだ」

 刀真がため息をしつつそう答えた。

「は? まり子が悪いのは明らかだろう!? 何で頭冷やす中にオレがいるんだよ」

 大祐は納得できないようにそう突っかける。
 まだ、理解していないのか?とも思えるが、この手の相手に見下した言い方は逆効果だと言う事はよく解っている。

「……説明会でもあっただろう? このゲームにおいての情報の大切さと、知られる事のリスクの事」
「マジかよ! おい! 刀真、お前まさかまり子の味方をするつもりか?」
「味方、敵は関係無いさ。仮に大祐のPDAの中に、任意で相手に危害が加えられるような特殊能力があったら? 安易に話す事は出来ないだろう。……今回は偶々、危害の無い条件だったようだから、何も起こらないようだが、そう言うことだってありえると言う事だ」
「それを聞いたら、まり子が危険なプレイヤーってことじゃねえか! だから、話さなかったッて事だろう!」

 相手の事を考えて、自分に当てはめて考えて……ということが出来ないらしい。

 あくまで≪たとえ話≫をした筈だが、それを信じきってしまっているようだ。

「……熱くなるな」
「もういいよ! おい、行こうぜ初音ちゃん。ったく、なんでオレ達が悪者扱いされなきゃいけないんだっつーの」
「あ……」

 大祐がいきなり初音の手を取って歩き出した。だが、その前に悠奈が立ちふさがる。

「こらこら、初音を連れて何処に行くつもりよ?」
「このチームには信用できねーヤツが多いからさ、オレ達は別行動を取らせてもらうよ」
「駄目よ。だいたい、アンタに初音は任せられないもの」
「!! それはどういう意味だよ」
「だってアンタは、『自分のやりたいようにしたいだけ。後は別に何も考えていない』でしょ?」
「こ、この………!!」
「なに? 図星?」

 大祐と悠奈がにらみ合う。
 確かに悠奈の感覚は的を得ていると思える。

 自分のやりたいようにしたいだけ……、自己中心的な考え。そう言う思考の人間は倫理感が少ない人間に少なからず多い。

 つまり、そんな性質かもしれない人物と、恐らくはこの中で一番か弱い初音が2人きりになるのは、ゲームと同じ位危険なのだ。

「ゆ、悠奈さん……」

 横で見ていた琴美は心配そうに言っていた。
 そして、
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