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シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
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仕切るのには悠奈であれば申し分ない。


 そう思っていた。
 一対一の交渉術なら兎も角。凡そ同年代であろう彼女の方が他のメンバーも素直に頷きやすいだろう。所々補佐をすれば、問題ないだろうと。


 修平自身も、刀真と同じ考えに至る。琴美も、刀真と言うよりは悠奈を見て、嬉しそうに笑いながら傍に寄ってくる。

「ねぇ修ちゃん。悠奈さんって、厳しいけど、なんだか頼りになりそうな人、だね? 日影さんも一番の歳上だし……凄く頼りになるって感じるよ」
「……あぁ、そうだな」

 琴美の笑顔を見る限り、どうやら悠奈の事が気に入ったようだ。

 そして、その悠奈が信頼している日影の事も間接的に。

 おそらく修平自身も、このゲーム以外で出会っていたならば、琴美と同じ印象を抱いていたであろうと確信が出来る。だが……、最後の一線はまだ越えられない。

 疑惑、疑問が晴れるまでは……。

「(……自分よりも大切なもの……か。)」

 腕を組んで目を瞑っていた刀真が感じたもの。それは、修平が言っていたそれの正体だった。





 そして、総勢7名で森に入り、その3時間後には入手した2枚のメモリーチップを使い、粗末だが、食事をしっかりととり終えていた。

 そして、その更に2時間後―――。

「………」

 今は悠奈の陣頭指揮の下、メモリーチップの確保を最優先としつつ、他のプレイヤーとの遭遇も視野に入れて山道を進んでいた。

 順番としたら、悠奈を先頭に、まり子、大祐、初音、刀真、そして少し間を開けて修平と琴美が最後尾を歩いている。暫くたった時だった。琴美が修平にそっと話しかけてきた。

「……ねぇ、修ちゃん」
「ん? どうした?」
「大祐君とまり子さんのこと……、何とかならないかな?」

 琴美が心配そうに前方を行く大祐とまり子に目を向けた。
 基本的に物事をラフに捉えようとする大祐と、全てを杓子定規に当てはめようとするまり子は正に、水と油だろう。

 そして、その直ぐ後にもまた始まる。

「はぁ!? マジで言ってる!? それマジで言ってんのか!?」
「そ、そんなの、私の勝手でしょ!」
「……!!」

 大祐とまり子のいい争いがまた、始まり列全体の動きが止まったのだ。

「……ちょっとアンタ達。今度は何事なわけ?」
「ったく信じらんねーよ、オレと初音ちゃんがPDAの情報を交換するのを聞いていた癖に、自分は答えないって言うんだぜ?」
「そ、それは……、だって、聞こえてきたものは仕方ないわ」
「おいおい、なんだよその言い草は!? 協調性がどーたら、って五月蝿かったのは何処のどなた様だったっけ?」
「あ、あぅぅ……、初音は別に構わないのですぅ……」
「駄目だよ。初音ちゃ
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