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シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
疑惑
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は無償の代償で、そして提供だが、それを提示した所で、彼の中の疑惑や評価が覆るとは到底思えないのだから。
悠奈は修平に笑みを向けていた。
「修平。ありがとね。私のことを信じてくれて」
「やめてくれ。心境的には、オレも司と大差ないんだぜ」
「あっちゃぁ〜〜……やっぱり?」
「……当然だろ」
「なんで、刀真がそれを言うのよっ!!」
腕を組みつつそう答えるのは刀真だ。
簡単に他人を信じる者など、そうはいない。寧ろ頭の良さは別としても司の考え方がスタンダードだろう。
「……いきなり上から降ってきて、打算的な話を開始して、更に いきなりPDAを見せて、自分達だけ、変なメッセージが着てて……。疑いだしたらきりが無い、と思えるって事だ」
「っ……、ま、まあそうなんだけど、アンタも私と同じでしょ?」
「ああ……。だから相当 参っているんだよ」
軽く苦笑いをしつつ肩を落とす刀真。
「ふふ……」
そんなやり取りを見て修平は思わず笑ってしまっていた。
正直、悠奈以上に刀真の方が疑わしい事は事実だ。あの場所で出会っただけで、まだ全プレイヤーを知ったわけではないが、それでも明らかに訓練されている様な人間だからだ。
容姿からは解らないが、仕草や言動、考えを聞いていたら、一般人とはどう見ても違う。
身に纏うそれも、何処か違う風に感じるのだ。
司もそこを強く感じ取ったのだろう。
「っあ〜もう! っとと、そうだそうだ。修平」
「ん? なんだ?」
「司と同じと言うなら、何で司と一緒に行かなかったの? 私たちの事なんて放っておけばよかったのに」
悠奈はそう帰していた。
確かに困るのはあの≪R:CODE≫。メッセージを受け取っている2人だけで、修平は何も困らない。疑心暗鬼を持ったままが一番厄介な自体になりかねないからだ。
「……単にこのゲームを生き残りたいだけなら、司と手を組むのが一番だとも思えたさ。だが、オレには他にやらなければいけない事がある。司の誘いを断ったのはその為だ」
「やらなければいけないこと?」
「……ほう」
悠奈は、探るような目を修平に向けた。
逆に刀真はそれ以上聞かない素振りを見せていた。
修平がそこまでの胸のうちを明かしたくないのは見て解るし、必要以上に聞くことも無い。ただゲームクリア以外にすべき事がある……と言う事は、≪自分の命よりも大事なものがある≫という事だからだ。
刀真はその種の人間にも出会ったことは勿論ある。
その種の人間は二面性を持ち合わせている者が多く、その≪何か≫を失ったとき、どちらに転ぶか解らない事も……よく知っている。
そんな時だった。
司が去った方向とは反対側の廊下から、琴美が息を切らせな
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