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シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
疑惑
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一日もたってないとは言え、最初から彼女と共にいるからだろうが。
「……悠奈、今度は 表情に出すぎだ。それでは 必要以上に警戒される」
刀真の言葉を聞いて、軽く頷きそして顔を極力元に戻した。
司はそのやり取りを見て……、2人の中での格は男の方なのだと直ぐに理解できたようだ。
「……ああ、誤解しないでください。あくまで≪それ以外に方法がなければ≫ですから。藤田先輩と運営の方とのやり取りを聞く限りでは、殺人を犯すことには大きなデメリットがありそうですからね」
そう答えていた。
どうやら、怪しいのだが、彼女自体は殺人を全否定しているようだ。それが、普通の考えだろうが、この異常空間では普通の感覚ではいられない筈だ。何でも合理的に動く彼は、見ず知らずの他人を助ける為に自身の命をくれてやるような、聖人君子はこの世にはいないとまで思っているのだから。
「……それじゃあ、アンタはよっぽどの事がなきゃ人殺しはしないって、考えてもいいのよね?」
静かに、悠奈はそう司に言った。この質問も重要な事だ。
――つまり……≪この男がトリガーを引くか、否か≫を見極める為に。
「そうですね。……今の所は。」
曖昧な返答だが、とりあえず今はそれでいいと判断していた。
「信じるわよ。その言葉?」
「どうぞ、ご自由に。一応言っておきます。僕は嘘を付く事も厭わない人間だという事だけは」
「……それが普通だな。内心まで縛る事は誰にも出来る事じゃない」
「……ええ、その通りだと思います」
刀真の横槍にも同意しつつそう返した。
「それでもいいわ。信じてあげる。だから、もし助けが必要な時は遠慮なく言ってきて、少なくとも私は絶対に、アンタを助けに言ってあげるから」
悠奈は、表情を元に戻し そして、笑みも浮かべてそう答えていた。
「なら、オレも同行している可能性が高いな。一応、悠奈とは手を組んでる身だ。」
「一応って結構酷いわね。私のナイト様でしょ?」
「………」
「ああ〜、もうツッコンですらくれないのね……」
珍妙なやり取りだが、司は警戒を薄めるような事はしなかった。
「それはどうも。でも、そんな状況にならない事を祈ってますよ。では、藤田先輩。気が変わったら僕の所へ来てください。2人と大祐が一緒じゃなければいつでも歓迎しますから」
「ああ、考えておくよ」
「それじゃ、僕はこれで」
司はそう言って片手を挙げて静かに廊下を去っていった。
彼は、他人からの好意を素直に受け入れないようだ。こんな状況なら仕方ないとも思えるが、普段の彼。素の彼もこういう風だとどこかで納得が出来る。
「成程……、中々難しそうだ」
刀真はその後姿を見てそう思っていた。
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