魔導士vs.ドラゴン
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かって飛びかかる。
「「「おおおおおおお!!」」」
カグラの刀とジュラとリオンの拳がドラゴンの額を捉えた。しかし、ドラゴンの硬さに押し負けてしまい、三人は吹き飛ばされる。
ドラゴンはその直後に自分に迫ってきていた氷の造形たちを破壊するため、体を反転させて尻尾を振るう。その際リオンの造形はいとも容易く破壊されてしまったが、レオンは運良くドラゴンの足から逃れることができ、すぐさま後方へと下がっていた。
「ミャア!!全然効いてないよカグラちゃん!!」
「レオンのパンチ受けてもまだ余裕そうだもん!!」
実力者三人の攻撃を受けたにも関わらず、全くダメージを受けた様子がない岩のドラゴン。ミリアーナとソフィアの前に着地した三人はそれを見て表情を歪ませている。
「サンキュー、リオンくん、カグラさん、ジュラさん」
彼らと並ぶように戻ってきたのは唯一強大な敵に傷をつけた少年。彼はとりわけケガがあるわけでもなく、まだまだ大丈夫そうである。
「とりあえず、レオンが戻ってきたのが収穫だな」
「ああ。しかし、レオンばかりに頼ってもいられない」
リオンとカグラが最強戦力であるレオンの生還で活路を見出だしてはいたが、彼一人に頼るわけには行かないとすぐさま戦う姿勢を見せる。
「何度でも攻撃するまで!!」
「まだまだ手はいくらでもある」
フィオーレのすべての人々を守るため、絶対に引くことはできない。彼はいかなる攻撃をも凌ぐドラゴンに決して怯むことなく立ち向かっていた。
魔導士たちが国を守るためにドラゴンと戦っている頃、まだ戦闘を始めていないドラゴンが一頭だけいた。そのドラゴンは顎に生えている髭を触りながら、次々に街を破壊していく他のドラゴンたちを見物しているようである。
「おうおう。あっちでも派手にやっとるのぉ。賑やかで何よりだわい。ぐわはっはっはっはっ」
そう大笑いしているのは翡翠色の体をしたドラゴン、ジルコニス。彼を見上げるようにしている魔導士や王国軍たちは、少し表情を強ばらせていた。
「ジルコニス・・・」
「オイラたちは幽霊になったこいつとは話したことがあるけど・・・」
「昔から口数が多い性格だったのね」
ドラゴンの墓場で彼と会話したウェンディたちは、相変わらずペラペラとしゃべっているジルコニスを見てそう感想を述べる。
「このジルコニス様は他の連中みたいにやたら暴れたりぶっ壊したりするだけでなく、会話を楽しむタイプでのぉ。まぁあれじゃ、知的でハイセンスの持ち主とでも思ってくれ」
ジルコニスはそう言うと、自分を取り囲んでいる王国軍の表情を見回し始める。
「どいつもこいつも怯えきった顔をしよってからに。
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