第十幕その六
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恵梨香達は林の中に入りました、林の葉はウィンキーの国にあるので黄色で落葉もでした。奇麗な黄色の林でした。
その林の中に入ってです、恵梨香はこうしたことを言いました。
「シトリンは黄色いから」
「うん、目に頼るとね」
腹ペコタイガーも答えます。
「見付かりにくいね」
「というか見付からないよね」
トトはこう言いました。
「匂いから確かめないと」
「そうよね」
「そう、だからね」
それでと言うのでした。
「僕の鼻で探そう」
「犬君達の鼻って本当に凄いからね」
腹ペコタイガーはしみじみとして言いました。
「虎のよりもずっとね」
「虎さんもお鼻はいいでしょ」
恵梨香は腹ペコタイガーにこう言いました。
「人間よりも」
「そうだけれどね」
「犬さん達にはなのね」
「ずっと落ちるよ」
「そうなのね」
「やっぱりお鼻は犬君達だよ」
それもずっと、というのです。
「ダントツだよ」
「そうなのね」
「だからここはね」
「トトに見付けてもらうのね」
「そうしよう、そしてね」
さらに言った腹ペコタイガーでした。
「僕達はそのトトの傍にいてね」
「警戒ね」
「本当に何がいるかわからないからね」
だからというのです。
「ここはトトを警護していよう」
「わかったわ」
腹ペコタイガーの言葉に頷いてでした、恵梨香は彼と一緒にトトの傍にいてガードをしていました。そしてです。
そのうえで、です。三人でシトリンを探していますと。
トトはお鼻をくんくんとさせつつ林の地面を調べて歩いてです、三十分位してです。
ふと気付いた感じになってです、落ち葉を掘り返してみますと。
そこに黄色く輝く丸い恵梨香の手にすっぽり収まる位の大きさの宝石が出てきました。トトはその宝石を見て言いました。
「これが、だよね」
「匂いはなのね」
「うん、クォックスさんの右の前足に匂いがするよ」
「じゃあ間違いないわね」
恵梨香はトトの言葉に頷きました。
「これがシトリンよ」
「そうだね、じゃあね」
「ええ、これを拾ってね」
「クォックスさんのところに戻ろう」
「そうしましょう」
こうお話してでした、そのうえで。
恵梨香がその宝石を手に取ってでした、一緒に林を後にしてクォックスさんのところに戻りました。そこにはトロットとモジャボロもいてでした。
皆で待っていました、そして恵梨香の手にある宝石を見てです。
クォックスは笑顔になってです、こう言いました。
「そう、それがね」
「貴方のシトリンなのね」
「そうだよ」
お隣にいるトロットにも答えました。
「まさにね」
「そう、見付かったのね」
「よかったよ」
満面の笑顔で言うクォックスでした。
「そして有り難う」
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