第十幕その一
[8]前話 [2]次話
第十幕 思わぬ来訪者
トロットは腹ペコタイガーとモジャボロ、それに恵梨香とです。
一緒に冒険をはじめました、その目指す先は。
「私達は林檎と蜂蜜を手に入れに行くわ」
「カレーの隠し味の」
「この二つが入っていると」
トロットはにこりとして恵梨香に言います。
「もう味が全然違うでしょ」
「甘くなってですね」
「食べやすくなるわね」
「スパイスの辛さにそれが入って」
「より美味しくなるわね」
「はい」
恵梨香もトロットの言葉に頷きます。もう既に黄色い煉瓦の道を歩きはじめています。
「それはそうですね」
「そうでしょ、だからね」
「私達はですね」
「その二つを貰いに行くのよ」
「責任重大ですね」
「まず林檎はね」
林檎のことからお話するトロットでした。
「やっぱり黄金の林檎よ」
「アンヤコレヤ王女のですね」
「ええ、あの人の国に行くわよ」
「やっぱりそうですね」
「ウィンキーの国のね」
「そして蜂蜜は」
恵梨香はトロットにこちらのことも尋ねました。
「何処で貰いますか?」
「それは薔薇の国にあるの」
「薔薇の女王の」
「ええ、あの薔薇の人達から蜂が蜜を作るけれど」
「その蜂蜜がですね」
「凄く美味しいから」
だからだというのです。
「あそこで貰うわ」
「あの、薔薇の女王の国っていいますと」
恵梨香はその国の名前を聞いてです、お顔を曇らせて言いました。
「ベッツイさん達が大変な目に遭った」
「ええ、あの国よ」
「僕もいたんだけれどね」
モジャボロが笑ってお話に入って来ました。
「あの国にはね」
「そうでしたね」
「確かにあの時は大変だったけれど」
「それでもですか」
「今は大丈夫だよ」
「そうですか」
「うん、だから安心してね」
こう言うのでした、そしてです。
トロットは皆にです、こう言うのでした。
「私実はこのウーガブーの国とかにはあまり行ったことがないの」
「そういえばそうだよね」
腹ペコタイガーがトロットに応えます。
「トロットは船長さんと一緒にいることが多くてね」
「オズの国に来た時もそうでね」
「海や湖に縁があるね」
「そうだよね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「あの国に行くのは久しぶりで」
「アン女王とお会いするのも」
「久しぶりなのよね」
こう言うのでした。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ