新たな・・・
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故か刀身から鞘が離れるほど心の中がざわつき始める。
「ククッ。あ、いや測定を始めてくれ」
自分がなんで笑ったのか不思議に思いつつ、今はその雑念を払い気を集中させる。
「適合率60%です」
「順調な滑り出しか・・・っがぁっ??」
もっと気を込めようと集中していると急に悪寒が走る。脳が何かに侵されるような感覚になり、気をぬくと自我を奪われるようだった。
「適合率55%・・・大丈夫ですか?」
「あ・・っああ。続けてくれ」
表面はそう取り繕ってはいたが内心焦る、適合率云々じゃなくて本当に自分を乗っ取られそうだった。だが刀の思い通りは癪なので万華鏡写輪眼を解放し自分に幻術をかけ落ち着かせる。
「まったく変わってるにしても少し調子に乗ってんじゃねえのか・・・!」
再度気を込めると、適合率も上昇するがそれと同時に幻術を押しのけて心に侵食してくる。
「適合率80%・・・そのまま維持しつつければ合格です」
「了解。だけど全力出さないとコイツも満足しねえだろ!」
全力を出して気を込める。すると目の前が光に包まれた。思わず目を瞑ると急に暗くなりゆっくりと目を開ける。
「くっ!・・・なんだ?」
目のを開けるとそこには何かがいた。恐ろしくもあり羨ましくもあり、何より懐かしくも感じた。これは刀の意志ではない。
「・・・何を恐れている?」
何かは俺に問いかける。
「恐れる?」
「何故そんなに離れたがる。お前は生まれ変わったんだぞ」
「生まれ変わった・・・?」
ある意味生まれ変わった。それをいったらその前も含まれるが。
「そろそろ」
「・・・!」
何かは俺の目の前に来ると言った。
「ソレを出しても良いんじゃないのか?」
そういった瞬間何かが俺の中で弾けた。今まで抑えてきた。あえて嫌悪していたソレを。
あえて意識しないようにしていたソレを。
「認めても良いんじゃないのか?」
認める?これを認めたら俺が俺じゃなくなるのに?
「違う」
何かは否定する。
「ソレはお前自身だ。認めろ。受け入れろ。ソレを受け入れなきゃお前は強くなれない!!」
強・・く?違う、俺は強くなりたいんじゃない。
だんだん声を大きくし、何かは俺に訴えてくる。
「お前は強くなりたいんだろ!!強くなって大切なものを守りたいんだろ!!!今度はその手でしっかり助けたいんだろ!!!!」
俺・・は、守れなかった。護りたかった。でも、もう守りたいものが護りたいやつはいない。
「嘘をつくな!!本当にいないのか?もう守れないのか??」
嫌、だ。もう守れないのは嫌だ。
「強くなりたいならソレを受け入れろ!受け入れた上
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