暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第2章:埋もれし過去の産物
第27話「新たな厄介事?」
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「分身の一人目に防がれた剣。まだ消えてなかったんだよねぇ...。」

「...あっ....。」

  剣について言いながら、一気に動揺した緋雪の目の前に迫る。

「動揺が大きすぎる!」

「あうっ!?」

  脳天に魔力を込めた拳を当て、ノックアウトさせる。

「はい、終了。...まぁ、僕が相手だから動揺が大きいのだと思うけど、ありとあらゆることを想定しておかないと咄嗟に動けないぞ?」

「うぅ...はーい...。」

  模擬戦の最後はあっけなく終わり、僕らは地上に降り、結界を解除する。

「50点ね。」

「うぐっ!?」

「優輝も言っていた通り、動揺が大きすぎるわ。」

「スペックは高いんだから、それを生かさないと。」

  すると、椿と葵から辛口評価を受け、緋雪は崩れ落ちる。

「結構辛口だよな...僕でも60点は固いと思ってたが...。」

「はぅっ!?」

  あ、余計にダメージ受けたみたい。

「これでも妥協してる方よ。今の緋雪は、種族としての強さに物を言わせて、他を補ってるだけ。それじゃあ、優輝みたいに技術が高かったり、格上の相手には勝てないわ。」

「あたし達は格上の相手なんてよくあったからねー。あたしもかやちゃんと同意見だよ。」

「なるほどな...。」

  技術力の問題か....。こればっかりは、修練を積まないとどうにもならないか。

「...ところで、司さんは何を悩んでるんだ?」

「えっ?...あー、えっと...。」

  なぜか戦いが終わって見てみたら戸惑っているし、今も歯切れ悪そうにしている。

「...どこか、既視感があったの。」

「既視感?」

「うん。...優輝君と、緋雪ちゃんが戦っている事にね。...今まで、見た事ないはずなのに。」

  既視感か...しかも、悩む程って事は....。
  ....嫌な予感がするな...。

「...ごめんね。変な事言っちゃって。...でも、嫌な予感....ううん、嫌な事が頭に思い浮かんだから....優輝君か緋雪ちゃんのどちらかがいなくなってしまうなんて...。」

「司さん....?」

  ....なんだろう。司さんが嫌な事を思いだすような表情をしてる...。

「な、なんでもないよ!...うん、なんでもない....。」

「.......。」

  怪しい...。けど、司さん自身もよく分からないようだ。

「...優輝君、緋雪ちゃん、椿ちゃん、葵ちゃん。」

「どうしたの?」

「「.......。」」

  おもむろに僕ら全員の名前を神妙な面持ちで呼ぶ司さん。
  緋雪も、椿や葵も、その雰囲気に真剣に次の言葉を待つ。


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