第2章:埋もれし過去の産物
第27話「新たな厄介事?」
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カン!カン!と、木刀がぶつかり合う音が断続的に響き渡る。
「そこっ!」
「甘い!」
「っ!」
一瞬の隙を見つけ、突きを繰り出すも、紙一重で回避されて反撃を喰らいかける。
「ま、だ...!」
「っ、く....!」
斜めから振り下ろされる木刀の腹に拳を添わせるように当て、木刀を逸らす。
そのまま、突きから戻してきた木刀をそのまま払うように振るう。
「――――――。」
しかし、その木刀は空を切り、姿も見失う。
すぐに僕は思考を加速させ、視界をモノクロの世界に切り替える。
「―――はぁっ!」
「―――ぜぁっ!」
後ろから迫ってきていた四つの斬撃に、僕は同じ数の斬撃で受け流そうと対抗する。
―――バキィイッ!!
「っ...!」
「くっ....!」
しかし、その際の負荷に耐え切れず、木刀が折れてしまう。
「....木刀も折れたし、キリもいいだろう。ここまでだな。」
「...そうですね。恭也さん。」
本当は素手でもできるが、飽くまで鍛錬なのでここで終わりだ。
「直しておきますね。」
「助かる。...しかし、結構便利だな。その魔法。」
「木材とかポピュラーな素材の物なら大抵直せますしね。」
魔力変換資質・創造。それはFateの士郎の投影魔術に似通っている部分が多いため、こうして武器の修復には重宝している。
「今日はこれで。ありがとうございました。」
「ああ。また明日な。」
「はい!」
一礼して、僕は高町家を後にする。
“カタストロフ”の一件から、僕はずっと恭也さんと鍛錬に励んでいる。
さすがに既に導王流があるため御神流は習えないが、恭也さんは剣士として強いので、模擬戦をするだけでも僕の糧になる。
...さて、それはそうと帰って夕飯の支度だな。
「ただいまー。」
「お帰りなさーい。」
家の玄関を開けると、緋雪が出迎えてくれる。
リビングに行けば椿と葵もいた。
「あっ、お帰りなさい。」
「ただいま、椿。」
僕が返事を返すと照れ臭そうに顔を逸らす。...今のに照れる要素あったか?
「優ちゃん、今日はどんな感じだった?」
「いやぁ、また木刀壊れて終了だよ。恭也さんも僕との模擬戦でさらに強くなってるから、まだまだ容易に勝てないよ。」
葵は葵で僕に今日の鍛錬の結果を聞いてくる。
ちなみに葵は人の名前の一部を取ってちゃん付けで呼ぶ癖があるらしく(かやちゃんとか)、僕の事は“優ちゃん”、緋雪は“雪ちゃん”と呼んでいる。椿は以前のままだが。
「明日は土曜日だし、少
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