アリス・イン・ワンダーランド
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「くそ??なんてザマだ??」
そう言ってヒカルは拳を生徒会室の机に叩きつけた。その表情から焦りに色が見て取れた。そんな中今度はフォルツが冷静に…いや、冷静さを装ってヒカルを見る。
「いや、ヒカル。お前のやった事は正解だ。俺のように考えなしにソーニャに突っ込んだら下手したら全滅だ。今回はソーニャの気まぐれか知らないが」
「フォルツ……。」
フォルツはヒカルをチラリと見てそして直ぐに『救済の書』を拾い上げた。
『救済の書』と書かれたその本は絵本のように薄くどこか古ぼけた歴史書のような雰囲気を持つ本だった。
「…この本は一体……?」
そう言ってフォルツはペラリと1ページを開く。するとそこのページには文だけ書いてあった。
『これを読めば囚われのお姫様を連れ戻せる。だけどあなたは戻れない。
……それでもあなたは飛び込むの?』
「……。」
その本を文を読んでフォルツは固まった。同時にヒカルもその本を見る。
「飛び込む?」
フォルツはそう言ってヒカルを見るとヒカルは本に興味を抱いたようでペラリともう1ページめくると今度は白紙だった。
「白紙……?」
「……?」
するといきなりペラペラと1人でに絵本がページをめくり始めた。
「「??」」
そうして眩い光が2人を包み込むと2人の姿は忽然と消えてしまった。
「まったく。退屈ですね…。」
そう言ってなぜかボロボロになった玉座に座っているのはソーニャ。そしてその前にいるのは。
「…私達ではダメなのか?」
そう言ってジロリとソーニャを睨むのは無銘。そのプレッシャーは周りを威圧するはずだがソーニャはそんな事お構いなしに話を続ける。
「『調律無しの調律師』」
「?」
「それが今回のあの人達の相手です。」
ソーニャはそう言って『台本』と書かれた本を手に取るとそれを見て。
「『音の死神』はいずれ目覚めます。ヒカルさんには少しそれのお手伝いをしてもらうだけです。」
「ではなぜ私達がここにいる?」
それをソーニャは聞くとファーと猫のような欠伸をするとにやりと珍しくソーニャらしくない笑いを浮かべた。
「私達では古い。世界を少し知りすぎた。そんな老害が救うのではこの世界も終わりです。」
「……。方便だな?」
「はい。結局はあの人を救いたいだけなんですけどね。」
ソーニャはそう言って『台本』と書かれた本を握り締めて無銘に笑いかけた。
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