暁 〜小説投稿サイト〜
シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
信頼
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刀真は自身のPDAを取り出しつつ、自分の首下を指差した。

 そして、修平を見て。

「はぁ……、そんな堅苦しくない様にって思ってただけなんだけど……。日影さん。別にもったいぶってる訳でも、打算的なわけでもないわよ」

 悠奈は苦笑いをしていた。
 修平は2人のやりとりを冷静に見ていて、多少の違和感は拭えないでいたが、現段階ではそこまで警戒する必要は無いと思っていた。

「……まぁ、確かに堅苦しいのは苦手って言ったけどな。ナンバーと情報の交換じゃ見合わないと思えるんだ。まだ、全容を?んでいるわけじゃないけど、このゲームにとってパーソナルデータは重要なモノの筈なんだとオレは考えているから」

 修平は冷静に見極めてそう答えていた。
 悠奈は、考える。確かにこのゲームにおいて、自分のパーソナルデータに関する情報の扱いは慎重になったほうがいい。

 PDAを確認した以上は。

 誰がどんなクリア条件で、何を対象としているのか、知れたものではないから。それに、修平は物騒なメッセージと言うのも気になる。

「オッケー。判ったわ」

 悠奈はそう呟いて腹をくくる。
 彼が言っていた事を頭に浮かべながら。彼は先ほど、の真島と話をしている時、信頼とは無償の提供。リスクを得なければ信頼なんてつかめず、真に信じてもらうの等難しいだろう。

 ポケットからPDAを悠奈は取り出し、修平に手渡した。その行動を見ていた刀真は口を噤んで頷く。間違ってはいない。

 《ファースト条件》ではどのプレイヤーであろうと、問題ないのだ。

「はい。これ」
「……え?」
「私のPDAよ。これを見れば私が危険なプレイヤーじゃないってわかるはずだし、それに、日影……と、刀真が言っていた事、物騒なメッセージの事、そして私がナンバーを聞いた理由も判るわよ」
「本当に良いのか……? 逆にオレが危険なプレイヤーだったらどうするんだ?」
「ふふ、忠告有難う。大丈夫よ。優秀なナイト様がついてくれてるし」
「……誰が、ナイトだ。アホ」

 悠奈のウインクを軽く避ける刀真。
 呼びにくいといっていた名もあっさりと言ってのける事から、素の性格が出ていると言う事も良くわかった。

 だが、修平はまだ穏やかではいられない。自分の考えが正しければ……、情報ほどこのゲームにおいて重要なものは無いとさえ考えられるからだ。
これが≪ゲーム≫である以上は。

「アホって、ひどっ……。こほんっ、それに受け売りだけど、信用をもらうのには無償の提供、まずはこっちが先に相手に信用してもらえなきゃ駄目でしょ? じゃないと進まないし」
「……物騒なメッセージと聞いていたが、そこまでのものなんだな」
「ああ。悠奈とオレが出会った時に送られてきた。オレはやや遅かったが
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