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シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
信頼
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と言う指示が来ている以上は、自分も追いかけなければならない。

「やれやれ……。沸点が低い。随分と短気なようだ。……蹴られたのなら仕方ない、か? が、オレは銃を突きつけられたんだがな……」

 自問自答をしつつ、悠奈の後を足音を殺しつつ追いかけた。
 そして、悠奈が通り抜けていった方をみる。そこには見事に視界が開けており、足場も見えない。

「……あの馬鹿」

 日影は足早にそちらを確認する。
 確認すると、どうやら山道を通り過ぎたようで、2、3mはある崖がそこにはあった。掻き分け進んでいた為、草を踏んだ後、木の枝の折れた状況。足跡がついた地面。それらを確認したら、間違いなく悠奈はここに来たのだろう。
 十中八九、飛び出し……そして崖下へと落ちたみたいだ。

「大した高さじゃなかったのが、せめてもの救い……、だな」

 日影は軽く膝を曲げ、崖から飛び降りた。目算どおり、2m以上3m以下。大した高さじゃなく、刀真はまるで、忍者の如き身のこなしで柔らかい膝、足バネを活かし、衝撃をいなして着地をして、動きもスムーズに行った。
 そして、案の定追いかけていた悠奈はそこにいた。だが、予想は少し外れる。何故なら、悠奈以外の男もそこにはいたから。

「……全く。本当に短絡的過ぎるだろう。……ここがもうちょっと高かったらどうするつもりだったんだ?」
「あはは……ゴメンゴメン。確かにもう少し高さがあったら危なかったわ。その時は、無傷で着地は無理だったかな?」
「やれやれ……」

 流暢に会話を続ける2人だったが、突然の出来事に困惑を隠せない男が1名居合わせていた。

「一体マジで アンタ達は何者なんだよ。2人して……。初めは冗談って捉えてたが、二度見せられたら信じるしかないって事か? どうやら、さっき言ってた忍者ってのは本当らしいな」

 男は苦笑いをしていた。
 どうやら、デジャビュを感じているらしく 同じような光景を二度見ればもう笑うしかなかったようだ。

「あはは……、違う違う。で、この人はさっき言った人。協力関係を結んでる人よ。もちろん、同じプレイヤー」
「自己紹介はもうすんでいるのか?」
「ああ。……アンタの名前は聞いてないがな」
「そうか。悪いな。オレの名は日影だ」
「オレは藤田。藤田修平だ」

 無事、自己紹介も済み 経緯を其々が話をした。
 どうやら、悠奈はあの崖から飛び降りた後、修平と出会ったようだ。辺りを気にしていた修平だったのだが、流石に頭上までは確認して無かったらしく、修平にしてみれば、いきなり目の前に女が飛び降りてきて大層驚いたようだった。……気持ちは判らなくもないが。

「それは驚くはな。同じ様な光景が二度も続くなんてな。無理もない」
「まぁ……あまり無い事だからな」

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