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シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
信頼
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判ればまた教えるよ。真島は行かないつもりだろう? まぁ また運良く巡り会えれば、だがな」
「……なぜ、そこまでする? ……信頼を得るために、と言うのは理解は出来ているつもりだが、なぜそこまで出来るのかがわからん」
「……俺の最終目的は物騒な首輪を外したい事。その為には仲間は多いことに越した事は無い。という事だ。おそらくはお前も色んな人間を見て経験もしているんだろう。……オレも同じと言う事だ。歳数がお前より上だから、お前が経験しているそれ以上と思ってくれていい。目を見れば大体の人間がわかる。――お前は悪い人間じゃない、とな」
「……そうか。わかった。オレの方でも何か判り、今後また会えば情報を伝える」
「そうか。今はそれで良い。ゆくゆくは、行動も共にしたい。くらいは考えているが、そこまでは互いに許しあってはないだろう?」
「その通りだ」

 真島はそう答えると、ノートを片手に森の奥へと消えていった。

 単独行動を好む性格だと言う事もこの時理解できた。……信頼できたときはわからないが、今はこの程度で良い。十分だろう。

「……交渉事は、日影さんに任せたほうがすんなり 行くんじゃない? も、全部任せていい?」
「今回は経験が物を言った、それだけだ。……それに、相手が異性となれば悠奈の方が断然交渉しやすいだろう。……適材適所だ」
「あはは……。その時は任せてくれていいよ。」

 悠奈は軽く笑ってそう言う。
 まだ、ゲームは始まったばかりで、遭遇したプレイヤーも1人だけだ。確かに、同じくらいの女の子だっていたし、何より襲撃者は女だ。今回は、男相手で更に慎重な男だったから、日影が言うとおり交渉ごとの経験がものを言ったのだろう。

 そして、2人はまだ見ぬプレイヤーナンバー4を探しつつ、会場の方へと向かった。

 森の中を歩いているその時だ。

「あ!! アイツ!!!」

 悠奈は、一気に怒気含んだ声を漏らした。
 まだ、距離はあるが数10m先に先ほどの襲撃者を発見する事が出来たのだ。決して大きな声ではないが、静寂に包まれ虫の音1つも聞こえず、風が無いから羽音も聞こえない世界。相手に聞こえたのは必然だった。

「っ!!」

 悠奈に気がついたその襲撃者はすぐさま行動を開始。撒く為に茂みの中に飛び込んでいった。

「逃がすかっての!!」
「おい。あまり無茶は。」
「危険なプレイヤーだったとしたら、野放しに出来ないでしょ! 全員をクリアさせる事が目的なんだから!」

 悠奈はそう答えると、襲撃者を追いかけた。茂みの間を抜けている以上、追いつくのは難しそうだが。

「ここは山道だぞ! 無暗矢鱈に走り抜けたら……」

 と、声を掛けるが時は遅し。
 悠奈は離れており、聞いてもいなかった。行動を共にする
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