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シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
襲撃
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口をへの字に曲げ、ぶつぶつと文句を言う悠奈。そして、蹴られた脇の状態を確認していた。
「大丈夫か?」
刀真は傍にまで近づきそう言う。
鈍器の様な物で殴られたのなら兎も角、拳より高威力があるとは言え、体術の蹴り一回。致命的なものになるとは考えにくい。そして、直ぐに後を追おうとした所を見るに、特に問題ないだろうと判ってはいた。
「ん……、内出血もないし、打撲未満ってトコだと思う。気が晴れるわけじゃないけど……」
悠奈は軽く手を上げる。
そして、それに軽く頷き答えた刀真。
「でも、顔は覚えた……。次あったら絶対蹴り飛ばしてやる!」
悠奈は、闘志むき出しに逃げた方を睨みつけた。
「随分とまぁ……、勇ましいもんだな」
リベンジに燃える悠奈を見てため息をつきつつ、そう言う刀真。女にしておくには惜しい、とも思えていた。
「当たり前でしょ! いきなり蹴られたんだから! それに、結構痛かったし、まだ、痛いし!」
悠奈は刀真にそう言っていた。八つ当たり、とも取れる勢いで。
そして、何よりも悠奈には思うところもあったのだ。
「日影さんなら、アイツとっ捕まえれたんじゃないの!」
「……おいおい。オレに八つ当たりをするな。――……それに、『いきなり蹴られた』と言うなら、オレはお前にいきなり銃突きつけられたが?」
「ゔ……、そ、それは……そーだけど。で、でも 日影さんは 気にしないって……」
「なら、気にしない事だ」
泣き寝入り……を我慢しろと言われている。
かなり屈辱だし、腹もたつが……、目の前の男にいきなりした事を考えれば、安いものとも思える。直接的攻撃を加えてはいないが、凶悪な武器を向けたのだから。
そして、日影は笑ってそれを許した。寛大な大きな男だって思えるし、少なからず憧れたのも事実だ。
「わ、わかったわよ」
「ん……。それに《アイツ》は恐らく……」
日影は、少し考え込むそぶりを見せ、向こうを向いた。もう、木々や草が揺れる音も何も聞こえない静寂が漂っている。完全にこの場から離れた事に疑いは無かった。
悠奈は、刀真の言葉が気になったのだろう、彼の方を向いた。
「……恐らく?」
「まぁ、いずれ判ると思うってことだ。さっきオレの言った事も気にするな」
「あのね……、そこまで意味深なこと言われてどーやったら、気にしないでいられるってのよ」
「ん。そうだな。……気にしなければ良いんじゃいか?」
「はぁ!!」
「まぁ、そう言う事、だ。あまり熱くなりすぎるな」
刀真はそう言う。
まだ、腑に落ちない様子の悠奈だったが、直ぐに一変した。
それぞれのPDAが振動、アラームが鳴ったのだ。
「っと!」
「……」
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