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シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
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がいる事を、もう確信しているようだ。
“ガサッ……”
一瞬……その茂みが不自然に揺らいだと殆ど同時にだ。赤いロングヘアーの女がそこから出てきた。……見た所、歳は随分と若いようだ。
何より女が着ている服も学生服だ。
十中八九は高校生と言ったところだろう。
だが、その年齢には相応しくない行動をしている。その手には同じように拳銃、武器が握られ、目を細くし構えていた。
「アンタ……、何時から私のこと気づいていたの?」
女はそのまま視線を鋭くさせたまま……そう言っていた。
赤毛の女こと、《藤堂悠奈》は……緊張を隠せなかった。
『自分はリピーターだ』
そして、今回のゲーム……、誰にも死なせないし誰にも殺させない。
そう決意し望んでいた。理不尽に抗い続ける為に。……前回、≪彼≫が自分にくれた命を誰かにあげる為に。形見である銀の弾丸を胸に参加したのだった。そして、夜の森を限りなく気配を殺しながら歩いていると……プレイヤーが見えてきた。
距離は目算で50mほどか。
まだ、薄暗いこの闇の中で見つける事が出来たのは幸運といえるだろう。背後を取る事が出来たのだから。そして、夜の闇に紛れたことで 後をつけるのも容易だ。
だが、自分自身は抑止力以外では攻撃は行わない。つい先ほど手に入れたこの武器も……、
その抑止力の為だけに使うと決めていたのだから。まずは、背後を取れた幸運を活かしどんなタイプの人物なのかを探ることにした。攻撃性の高い人間なのか、或いは慎重派なのか……、それともただの一般人なのか。男の性質を見極める為に。
様々な事を思考しながらゆっくりと、足音を殺しながら近づく。
この時、ある違和感を感じた。
それは、『何故……自分は直ぐに声をかれなかったのか?』だった。
経験があるというだけで、自分自身を無敵のヒーローなどとは言わない。だが、どんな相手でも武器を持たない相手には対処できる自信はあった。それは、不満だがリピーターと言うアドバンテージがあるから……とも言えるだろう。あの経験から戦い続ける為に、身体を酷使続けたのだから。
そして、皆の生還を望むのなら他のプレイヤーとのコンタクトは絶対必須項目だ。ゲームも始まって数時間程度。
コンタクトを取るのには適した時間帯だとも思った。自分は訳もわからずこんな場所につれてこられたと、理由も簡単につけれるのだ。そして自分の情報交換もネタにできるし、攻撃をしないようにと、くぎを刺すこともできる。
なのに、彼女はなぜか行動に起こす事ができなかった。
自分の心がわからないままに、そうこうしている内に、男はメモリーチップから武器を手に入れてしまった。
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