暁 〜小説投稿サイト〜
シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
ゲームの終わりと始まり
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んだかのような空気。まるで触れるもの全てを切り刻む人斬りナイフの様な人間達がその場に集っていた。
「……今日、皆を此処に集めたのは他でもない」
その集団の中心に、壇上に位置する男がそう呟く。
「……次の≪ゲーム≫の開催時期が決まったようだ。」
そのゲームと言う単語が飛んだ瞬間。
その場の空気が更にどろりと濁っていた。あらゆる負の感情が入り乱れた。目は血走り、拳には不自然に力がこもっている。
「今回は特別だ……、我々は今回のゲームで攻勢をかけることに決めた」
その声に少なからず笑みを浮かべるものも多かった。だが、その表情は険しいままだ。
「我々の組織…… はっきり言えばまだ、弱小の組織だ。支援も貰えず、世にはテロリストとして定着している……。だが、私は ここにいるメンバーは固く強い絆で結ばれていると信じている。メンバーの全て、組織の人事を司る私が調べた結果、この中に≪裏切り者≫はいないと判断した。だからこそ、話したのだ」
その言葉に強く頷くもの、何も言わずただ、強い視線のみを送るもの、目を瞑り考え込むもの……様々な反応を見せていたが、皆それぞれがわかっているようだった。
「……そして、今回のゲームには≪あの男≫に出てもらうと画策している。……既に内通者には話しを通してある。……いつものゲームとは違う《No.》を持つ男として、ゲームに参戦してもらおうとな」
そして資料をプロジェクターを起動し映し出した。
「……まだ弱者である我々が最強足りうる程の切り札、だ。そして うまく機能をすれば今回、攻勢に出る。―――最強の、ワイルドカードを切るんだからな。そして、仕込みに仕込んだ仕掛け……起爆剤。それを起動する為にも。この男の力が必要だろう」
プロジェクターで移された顔写真にレーザーポインターを当てながらそう説明し続けた。
映し出されるのは男の姿と、そして今ゲームの舞台である衛星写真。そして、仕込みの詳細、起爆剤、と称するモノも正体。
全てが敵側にバレれば、破綻してしまう事だろう。……だが、そんな事にはならない。此処を仕切る彼が全てを賭けて、集めたメンバーなのだから。
そして、今回のキー。重要な人物となる男。
その男は、あの組織では しらぬ者などおらぬ、とされる程、有名だ。
何故ならば……、致死率、死亡率の以上に高いゲームにおいて、異常ともされている程、その男はゲームの参戦回数が多い。
そして、組織でさえその扱いを持て余していると言う事。
あまりの強さに、反旗を翻すやも知れぬ、と言う理由から 刺客を差し向けた事を決定した組織。……故に強硬手段にとった組織から、派遣された刺客、兵士達も全て悉く打ち負かしていたのだ。
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