暁 〜小説投稿サイト〜
シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
ゲームの終わりと始まり
[2/6]
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
としたら……? その様な状況に身を投じさせた、としたら……?」
モニター越しにだが、興味深そうに聞き入っているのが解る。
僅かだが、鼻息が聞こえてきたのだから。
「そして、更に。妹と恋人を大事にする清廉な彼とも手を組んでいたら……。そこに≪彼≫が加わったとすれば、我々にも見た事の無い≪ゲーム≫となっていたかもしれません。―――もしかしたら」
男は、ひと呼吸置くと、ゆっくりと言葉を紡いだ。
「……過去のどんなゲームでも見た事の無い結果となってしまったかもしれません」
その言葉を待っていた、と言わんばかりに、スピーカー越しから 声が続いた。
「なるほどなるほど。……ふふ、面白いではないか。どちら側に転んだとしても面白い。……うむ、その結果、我々の意向とは異なる結果となったとしても、望むところだな。あの男は神出鬼没だ。意向と異なる事態。それは、こちら側にも喰いつき兼ねない、と言う事。それ程の存在だからな」
組織幹部が愉快そうな笑い声を上げた。
その≪男≫と言う存在を楽しみにしていた。そして同時に同じ位……畏れもしているのだから。
―――……嘗て無い緊迫感が得られるゲームを愉しめる。
「まぁ、全ては過ぎ去ってしまった事ですから、このようなケースを望む事は不可能ですが……、あるいは別の世界では、全く別の展開と、そして 全く別の結末が待っていたのかもしれませんね」
「うむ……。別の世界でもし……、≪彼≫が今回のゲームに参戦したとしたら、ゲーム設定の変更も意に反さなかっただろう」
司会の男も、そして幹部の男も愉快そうにそう返した。
だが、それを聞く≪客≫たちのいったい何人がそんな結末を望んでいるだろう。
更なる血を欲するものばかりである事を重々承知しつつも、男は微笑んで続けた。
「……もしそのような展開をお望みの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご意見をお寄せください。私どもはユーザーの皆様が望む展開が実現するよう、最大限の努力を惜しまないものであります」
そして……男は一礼をし深く頭を下げ。
「されではまた……、次のゲームで!」
その宣言と共に、モニターは闇で包まれた。
――ここまでが1つのゲームの終わりであり、ここからが新たなゲームが始まるのである――
それは《何処か別の世界》での出来事。
そこは とても冷たく……暗い場所。否、温度など全く感じられない無機質な空間だった。仮に世に地獄と呼ばれる場所があるとするのなら……或いはここがそうなのかもしれない。
場所の雰囲気だけでなく、その場に集う人間も何処か表情は暗い。だが、感じるのはドス黒い殺意を孕
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ