4話
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妙に立つ。
無論黒ウサギとて、彼のことをある程度信頼していた。
命にかかわったり、ひどい傷を受けることはない、と確信する程。
しかし、ウースは彼女の信頼をある意味で裏切った。
彼が袋から取り出したのは、胸と女性の大事な部分しか隠さない鎧。ビキニ。とどのつまりビキニ鎧。
「…………」
その鎧? を見た瞬間黒ウサギは呆然と立ち尽くす。あまりの驚きに何の反応もできずにいた。
すぐに我に返った彼女は、どこから取り出したハリセンを装備し、
「ど、どこが鎧ですか! お馬鹿様」
ウースの頭を叩いた。
だが、彼も然る者でめげずに口上を述べていく。
「ビキニ鎧は立派な鎧に分類される! 古くはケルトの乙女戦士、グレース・マクルーハンが悪辣な領主を倒すために魔女から受け取った魔法の鎧こそがビキニ鎧だったとされる。そのビキニ鎧をもって、グレースは数々の騎士を無傷で倒したと歴史は述べている。亡き彼女の雄姿を継ぐように女性たちが着るものこそがビキニ鎧なのだ! さらに言えば、幾つかの集団がビキニ鎧を用いた戦闘手段を確立している。有名なネレイド・ディーヴァやボゥロジィウツ・ストリップティーズなどは誰もが聞いたことがある高名な戦闘手段だ。このように、ビキニ鎧は立派な鎧かつ戦闘衣服といっても過言ではない! いいね!」
ウースが持ち込んだ希少なアイテムブースト足す素の能力によって、黒ウサギは説得された。
「アッハイ」
どこかうつろな目をした黒ウサギは、首を縦に動かす。
その様子を見たウースが満足げに頷くと、捻じれた杖を構える。
「セキュアー・シェルター」
彼が唱えた力ある言葉によって、石や木、土で出来たコテージが現れた。
「じゃあ、この中で着替えてくれ。透明な従者が手伝ってくれる」
黒ウサギはウースの指示のまま、コテージの中へと入っていく。
数十分ほど待つと、ドアの奥から極めて恥ずかしそうかつか細い声が、
「い、良いですよ」
ささやく。
その言葉を聞いて彼は素直にドアを開けた。
そこに居るのは、ある種の芸術だ。
豊満な胸部分をビキニ鎧だけでは隠しきれず、黒ウサギの細い腕で隠している。その大きさに半比例するようにウエスト部分はきれいにくびれていた。普段は黒のガーターソックスで隠されている足も、齧り付きたくなる太ももから折れそうなほど細い足首までを晒している。
「うう、これどこに魔法の効果があるのですか?」
差恥心で赤く彩られた顔と泣きそうな瞳をウースは向けられていた。
彼は、思わず色々したくなる感情を自身の全力をもって抑えている
「ウース様」
「……ああ、済まない。あまりに綺麗でね。見とれていた」
彼の直球な感想に、黒ウサギ
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