4話
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ているのだ。手助けすることはできない。森の中には強力な幻獣が住んでいる。ジンにはそれに抗うすべがなかった。
黒ウサギに頼り切りな自身を責める。そしてジンが唯一出来ることを行う。
「頑張って」
ジンの応援に、黒ウサギは笑顔でうなずく。そして、急いでウースを追う。
屋敷の応接室に、ジンただ一人が残されるのだった。
外門前に移動した黒ウサギとウース。
「それでは始めようか」
ウースの宣言と共に、ギアスロールが光る。ギフトゲームが始まった。
ウースは、森の中をある程度走った後杖を構えた。
「マインド・ブランク。テレポート」
瞬間彼の姿が消えて、ある場所に現れる。ゲーム範囲内のある大きな岩がそそり立っていた。その大きさはウースよりも大きい。
周りを観察して何もいないことを確認する。
そして岩に彼は、手を触れた。
続けてウースは呪文を詠唱する。
「メルド・イントゥ・ストーン」
呪文の後、ウースの体が岩に潜り込んでいく。数秒をしない内に、ウースの体が完全に岩に潜り込んでいる。
同じころ、黒ウサギは焦っていた。
「う、ウース様の場所が感知できません!」
最初の時点でウースが唱えた呪文の効果だった。マインド・ブランクは、唱えた術者を感知させなくさせる呪文だ。これはかなり強力な呪文で、神仏の介入した力で情報を得ようとしても妨害する。
黒ウサギにとって、これはかなり誤算だった。だが、気を取り直して行動を開始する。待ち時間は過ぎていた。
他の動物や幻獣。それこそ、鳥やネズミ、森に棲む魑魅魍魎まで話を聞いた。だが、一切の情報を得ることが出来ずにいた。感知できなくなった場所を、念入りに……それこそある程度土を掘るほど念入りに探したが見つからない。
そうこうしている内に、約束の2時間まで数分となっていた。黒ウサギは意気消沈しながら歩いている。そしてある大きい岩に背中を預ける。
「もう、どこに行ってしまったのですか」
そしてゲームの時間が過ぎる。
黒ウサギの敗北が決まった。
彼女は嘆息しながら頭を下に向けた。黒ウサギとて、負ければ悔しいのだろう。
「やっほ」
「きゃあ!」
黒ウサギは突然岩から顔を出した、ウースに驚愕の叫びをあげる。
奇しくも彼女が背中を預けた岩は、ウースが隠れた物だった。
「え? 岩の中に隠れて息ができるのですか?」
「ああ」
思わず黒ウサギの珍妙な問いにも、彼はしっかり答える。
「言ったろう。大抵のことはできると」
「大抵が広すぎますよう」
悲しそうに黒ウサギが言葉を発した。
「さてと、黒ウサギ。罰ゲームの時間だ」
「は、はい」
ウースの発言に、彼女も神
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