33:死神は
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……」
「き、キリトさんっ……」
リズベットとシリカは共にHPを半損し、地に倒れ伏せていたのだ。
そのHPバーは毒々しいグリーンに明滅する枠に覆われている。麻痺毒の効果に二人は侵されていた。
「……お前っ……!」
俺は思わずギリ、と歯を食いしばりながら、死神へと剣を構える。するとアスナがこちらを見て叫ぶ。
「気をつけてキリト君! ……やっぱりこいつ、どれだけ攻撃してHPを削っても幾らでも回復するし、どんどん強くなる……!」
「――いや……そいつはHPを回復しているんじゃない」
「……え?」
『…………!』
俺の言葉に、初めて死神がこちらを向いた。その顔は深く被ったフードで見えない。が、ヤツもアスナと同様、驚愕の視線を送ってきているのがわかった。
「死神の持つ《大鎌》のスキルの謎。それは――」
俺が続きを口にしかけた、その時。
『…………ッ!』
死神が言い終わらないうちに俺へと向かって大鎌を構えて襲い掛かってきた。だが……
「させないっ!!」
アスナが流石の敏捷さで死神に追いつき、そこに割って入った。すぐさま大鎌をレイピアでパリィして弾き上げる。だが間髪空けることなくそれをアスナへと振り下ろす反撃を、彼女は歯を食いしばり再度レイピアで受け止める。
「こ、のっ……お、重いっ……!」
だが、これでは先程のリプレイだ。ただでさえ細剣と両手武器では、刃と刃の鍔競り合いの分が悪い。しかも今回はそれに加えて、ありえない程に自身強化の補正を受けた死神が相手なのだ。あたかも相撲で巨漢の力士をしてにしている小さな子供のように、どんどんアスナがこちらへと後退してくる。
「キリト君は……わたしが、守っ……」
「アスナ! 無理をするな!」
俺も彼女に加勢するべく、説明の口を止め、彼女の横へと駆け出そうと足に力を込めた。
しかし、その刹那……
「――そこまでよ、死神ッ!」
そう頭上から声が聞こえ、上空を覆う木々の枝を揺らしながら何者かが飛び降りてくるのを感じた。
そいつは、俺がたった今駆けつけようとしたアスナの隣に着地し、それと同時に武器をレイピアと並んで死神の大鎌へとガガンと打ち下ろした。その加勢により、アスナの後退はピタリと止まる。
「なっ……」
突然の助勢に感謝の言葉を述べる前に、俺達は《そいつ》の姿に驚きを禁じ得ないでいた。
表は真っ黒だが裏地は真紅の、一目で隠蔽スキルを底上げする能力を持つと分かるレアそうなドラキュラマントにフード。
そして…………巨大な
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