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ホウエン地方LOVEな俺がゲームの中に吸い込まれちゃった
サマヨールとユウキ
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やろう。
 とジト目でユウキを見るサマヨールは思考を完結する。

「あらあらぁ、邪魔な子は排除しなくちゃあ。ゲンガー『シャドーパンチ』」
「グゲゲガァ!」

 必中技のシャドーパンチ。
 効果抜群なら当たれば倒せるだろうという安直な考えだ。ユウキなら相手の防御を計算に入れた上で自分のポケモンの攻撃力を把握しているから、そんな選択はとらない。
 なんてことを思うサマヨール。ユウキの技量は認めているのだ。

「ヨール」

 右手で飛んできたシャドーパンチをはたく。ゲンガーの右手から一直線に向かってきたゴーストの衝撃は呆気なく霧散する。
 当然だ。効果抜群だろうが攻撃力の低いゲンガーの物理技など、サマヨールの前では無意味。ただ隙を作るだけだ。
 そんな隙を見逃すサマヨールではない。内にためた気を解放し衝撃波を放つ。『ナイトヘッド』だ。

「グゲッ!」
「あぁ!ゲンガー!」

 ナイトヘッドはレベル分のダメージを相手に与える技。当然の如くレベル上限に達しているサマヨールの与えるダメージは100固定だ。この技は攻撃・特攻が弱いサマヨールでも有効なダメージを与えることができる。そのため敵の攻撃を受けまくってナイトヘッドを当てていくのがサマヨールの黄金パターンとなるが……敵からしてみればこっちの攻撃は有効打足りえないのに相手からのダメージは普通に貫通するという崖っぷちでの戦いを強いられることになるのだ。
 ポケモンのHPは数字に表すと大体300〜500程度。サマヨールが与えるダメージは100のため、5・6回うたれれば倒れる計算だ。その回数の中でサマヨールを落とすのは効果抜群と急所が運良く重なる等が無ければありえない。更に、サマヨールは『ねむる』というHP回復手段も持っている。苦労してHPを削っても立ち所に回復されてしまうのだ。
 まさに難攻不落。
『それどうやって倒すんだ……?』
 とは盾になれとか言っていたキノガッサの談である。盾どころかお鍋のふたがメタルキングの盾になっていた様な鉄壁っぷりに、再戦した件のキノガッサですらHPを半分も削れなかった。

「そういやそんな守備力を道具で更にあげてるって考えたら、相当えげつなくね?」

 ユウキの与り知らないところだが、『しんかのきせき』の効果は【進化前のポケモンの防御・特防を1.5倍にする】というものだ。彼が1.5倍という数字を見たらぶっ壊れダァ!?と卒倒することは間違いない。

「ゲンガー『シャドーボール』」
「グゲゲゲッ!」

 ヤンデレ女の瞳から光の一切が消えた。情け容赦なしのシャドーボール。それも複数。
 そのゲンガーの攻撃手段としては最高のダメージ量を誇る漆黒の塊は、ゲンガーとヤンデレ女の笑い声をまとって不気味に光り輝く。

「よ、よール……(う
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