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ホウエン地方LOVEな俺がゲームの中に吸い込まれちゃった
サマヨールとユウキ
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い出していた。いや、あの時は正直調子に乗っていたと思う。あの傲岸不遜な態度は今思うと恥でしかない。
 そんなことにサマヨールはやれやれとため息をつきながらもゲンガーから目をそらさない。ゴーストタイプ同士、お互いに弱点同士だ。隙を突かれて先手を打たれるのは痛い。……まあすばやさの関係で自分が後手に回ることは確実なのだが。
 ただそれ以前にあのキノガッサを倒したことは事実。あの漢を、それも無傷で倒すには尋常ならざるキノガッサのスピードを越えなければならない。先制されようが闇討ちされようが難なく状況を覆せるくらいには強いキノガッサを沈めた……その事実だけで十分警戒しなければならない相手だとわかる。
 まあキノガッサを沈めた技の検討はついている。
 しかしその技はサマヨールにとって警戒する程の技ではない。真にサマヨールが警戒しているのはゲンガーの特殊攻撃力の高さだ。どちらかと言えば特殊防御より物理防御が高い彼にとって、そのとくこうは若干冷や汗をかく程度には危険だった。いや、ゴーストなので汗なんてかかないが。

「サマヨール、これ使ってみてくれ」

 そう言ったユウキに渡されたのは赤く小さな石。
 サマヨールはほのかに輝くその石を手に持つと身体に少しの負荷がかかる感覚を覚えた。次いで明らかなステータスの上昇を感じる。
 未知の感覚にキョトンとするサマヨールを見て、

「昨日たまたまジムバトルを観戦していた人がくれたんだ。道具の名前は『しんかのきせき』。進化前のポケモンの守りをあげるらしい。サマヨールならまだヨノワールを残してるし使いこなせるだろうよ」

 なんだっけかな、シャラシティに寄ることがあれば是非我が家へお越しくださいとかなんとか言ってたんだけどその人の名前忘れちった……。
 礼儀知らずにも程があるのだが、そんなことはサマヨールの頭に入ってこなかった。

『……!!!』

 異常なほどの防御、特防の上昇を感じる。それこそどこかのヤサイの人が金髪になるレベルには上昇している。
 これなら大丈夫だろう。ゲンガーも怖くはない。

「そんじゃ、頼んだぞサマヨール」
「あはぁ?ようやく私と愉しむ気になったんですかぁ?じゃあ動かないでくださいね。今すぐ私と一緒になりましょお?……ゲンガー『かなしばり』です」
「さ、さささサマヨールさん、ななななんとかしてもらっても!?」

 うちの主人はテンパると本当に弱い。
 とりあえず身体をゲンガーとユウキの直線上に滑り込ませて『かなしばり』を受け止める。ビリビリとした感覚が全身を叩くが、気合で吹き飛ばす。

「やっちゃってくださいサマヨールさま」

 トレーナーが指示をしないというのはいかがなものか。まあいざって時は指示するだろうから、無指示は信頼と受け取ってなんとかして
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