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ホウエン地方LOVEな俺がゲームの中に吸い込まれちゃった
サマヨールとユウキ
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ウキについていく理由だ。
 どこかのキノガッサの様に深い理由があってユウキについていくなんてことはない。いやアレはもう従属とでもいっていいレベルだから比較にはならないのだが。
 だからそんなユウキの力になるなんて夢を掲げている友人と違い、大した目標も無くついていく私はユウキの手持ちの中で少々浮いた存在だった。

『俺はお前が羨ましい。その耐久力(チカラ)が有れば俺はユウキの盾になれたはずだ』

 あの時、叫びながらひたすらに拳を打ち付けてくる彼を見て私は思った。

 馬鹿馬鹿しいと。

 そもそもゴーストタイプに物理攻撃一辺倒のかくとうタイプが勝てるわけがない。相性的には最悪の部類だ。それなのに何故こいつは手を止めないのか。ダメージが入ってないことがわからないのだろうか。そもそもタイプ相性を把握してないのだろうか。
 手持ち同士で争っても意味がない。その時私はそう考え、諭した。

 ーーそもそも種族が違うのだからステータスが違うのは当たり前だろ?

 キノガッサは言った。

『お前のその飄々とした態度が気にくわないんだ。俺が求めるものを持っているくせに!』

 正直理解出来なかった。だから私は言った。

 ーー自分の長所をいかせば十分だろう。二つも三つも欲張るのはよくないぞ。

 ただ、その時は迂闊だったといえよう。そもそもキノガッサの沸点はそこではなかったのだから。
 そして、いつの間にか地に伏せていた。私が。

 ーーなんっ!?

 これには私も驚かざるを得なかった。
 何が起きたのか。結論を出すより早くキノガッサが答える。

『かみなりパンチ』

 バチィッ!!!とキノガッサの右手が電気を帯びる。出力を上げたところを見るに、私に気づかれないように威力を抑え、麻痺を狙ったのだろう。現に私の身体は痺れて動かすことができない。

『俺が癪に触るのはそういうとこだ。守備力に胡座を掻いて、どこかで相手を見下してる』

 言い返す言葉がなかった。確かに絶対に突破されることはないとたかをくくっていたことは間違いない。その上無様にも、馬鹿だ馬鹿だと思っていたキノガッサの前で背を晒しているのだ。
 一本取られた。
 口を開けば精神論のキノガッサにパーティーの頭脳なんて気取っていた当時の私が技術で上を取られた。

 そのことはその時の私に痛烈なダメージを与えた。





『俺じゃこのパーティーを守れない。だからお前が全てを受け止めるんだ。ユウキの《盾》になれ、サマヨール』





『お前には負けない』

 ゲンガーの前に立つサマヨールは、右手を突き出し人差し指を曲げて来いよと挑発する。
 ーー何を昔を懐かしんでいたのか。
 唐突に若き日の出来事を思
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