九十九 新たなる
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マルとザクの案内でサスケは無事大蛇丸の許へ辿り着いた。とりあえず当初の目的の第一段階はクリア出来たな、と内心安堵していた彼は、更にその後からついて来た見知った姿に愕然としたのだ。
桃色の髪を振り乱し、肩で息をしつつも必死で自分を追い駆けてきた―――春野サクラ。
帰れ、と怒声を浴びせたくとも、既に国境を抜け、大蛇丸のアジトに着いてしまった今では、サスケにはもうどうする事も出来ない。
今、この場にいる時点でサクラには究極の二択しか選べないのだから。
即ち、サスケと同じく大蛇丸の下につくか、―――――死ぬか。
故にサスケは仕方なく、大蛇丸に頼んだのだ。本当ならばどうにかして逃がしてやりたい本心を隠して、自分と同様、サクラを蛇の道に引き摺り込んだ。
それしか彼女が生きるすべが見出せなかったからだ。
しかしながらこの最悪な状況に甘んじるつもりは毛頭無い。隙を見てサクラを逃がしてやろうと機会を狙うサスケは、こちらを見つめるねっとりとした蛇の眼を真っ向から睨み返した。
「…―――さっさと俺に力をくれ」
わざと反抗的な態度で威圧すれば、サスケとサクラの後ろを歩いていたカブトが眉を顰めた。サスケに近づき、耳打ちする。
「……姿形は違えども目の前にいるのは、あの大蛇丸様だ。死にたくなければ、もう少し口を慎む事だよ」
カブトがもたらす忠告を、何を今更、とサスケは鼻で笑った。そんな事実わざわざ言われなくとも理解している。
だから自分は大蛇丸の器に相応しく見えるよう、強くあらねばならないのだ。
そう、力を手に入れなければ生きられない。
サスケ自身も、そしてサクラも。
決意を胸に、サスケはカブトをギロリと睨んだ。
申し訳なさそうに俯きながら自分の半歩後ろを歩く桃色の髪を、眼の端に捉えながら。
サスケの鋭い視線に、カブトが思わず息を呑む。
尋常じゃないチャクラの質を背中で感じ取って、大蛇丸は、ああ、と感嘆の声を漏らした。
サスケの存在の前では、音忍五人衆の事など、大蛇丸の頭にはもう欠片も存在して無かった。
彼らが死んだという報告を受けても、何の感慨も浮かばなかった。
最も欲しかった器を、やっと手に入れたのだから。
(私の未来は――この子の中にある)
自来也の正式な弟子となったナルは三年間で一人前の忍びに育て上げてみせると宣言された。
九尾を狙うという『暁』が次に襲ってくるのは、今から三・四年先の話だと確かな情報を得たと語る自来也に、ナルは大蛇丸の話をした。
今にもサスケ達を連れ戻したいと訴えるナルを、自来也は押し止める。大蛇丸の術が三年以上の間を空けないと次の身体に転生出来ないとい
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