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IF 完全平和ルート
偽装結婚シリーズ
偽装結婚幕間の話
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 噛み付いていた箇所から歯を外し、そっと喉元に唇を這わせれば、安堵した様な溜め息が聞こえた。
 余程緊張していたのだろう。全身が軽く弛緩していた。

 それが面白くなくて、再び喉元へと歯を立ててみせれば手を置いていた肩が再度震える。

「マダラ……。出来ればこの一連の行動を止めてくれるか……離れてくれるとオレは非常に助かるのだが」
「いやだ」

 がり、と薄い皮を歯で挟めばそこから血が滲んでくる。
 赤い血を舌で掬い上げれば、そっと己の背に手が置かれて――宥める様に撫でられる。
 
「分かった、じゃあ、離れなくていい。好きなだけそうしていろ」

 どこか諦めを含んだ声音に、己が子供扱いされている様な気がして動きを止める。

「もう一回聞こうか。なんか有ったのか?」
「どうしてそう思う……?」
「お前が訳の分からない事をする時は、たいてい何かお前が気に食わん事があった時が多いからな」
「――別に、なんでもない」

 脳裏に浮かんだ不愉快な光景を思い起こして、口を閉ざす。

 ……他の男と仲良く談笑している姿を見て腹を立てたとか、口が裂けても言うものか。

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