マブラヴ
1237話
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、普通に食事中に話し掛けられた……といったところか。
「厳しく訓練をする必要は認めます。実戦では甘い状況などというものはないのですから。ですが、ただひたすらに厳しい訓練をすればいいというものではありません。適度なメリハリが必要なんです」
「オウカの場合は、そのメリハリが優しい方に行き過ぎなんだ。それは分かってるだろ?」
「いいえ。私の方が一般的です。イザークの訓練が厳しいんです」
……イザークとオウカか。
あの2人はこんな所まで来て言い争っているのを見ると、つくづく相性が悪いんだな。
だとすれば、いっそエルフ達の教官役をどっちかに変えてしまうか?
「どうしたの、アクセル。珍しく箸が止まってるけど」
イザークとオウカ達を眺めていると、不意にそう声を掛けられる。
不思議そうに俺の方を見ているのは、マリュー。
大西洋連邦出身なのに箸の扱いは非常に上手く、茶碗蒸しを箸で食べている。
「いや、何でもない。ちょっとイザークとオウカの様子が気になってな。まさか、スキー旅行に来てまで言い争いをしているとは思わなかったから。……へぇ」
マリューに言葉を返しながら、茶碗蒸しに手を付けると、少しだけ驚きの声が漏れる。
何故なら、茶碗蒸しがほんのりと甘かったからだ。
そう言えばネギま世界で学生をやっていた時、誰かから聞いた事があるな。
東北地方では茶碗蒸しに銀杏の代わりに栗の甘露煮を入れるんだとか。
この茶碗蒸しにも栗が入っているし、多分それだろう。
それでいながら、きちんと鶏肉やタケノコの類も入っており、普通に食べる事が出来る。
何も知らないでこれを食べると驚くが、こういう茶碗蒸しだと知ってればそう驚く事もない。
崇継や恭子、煌武院といった者達は少し驚きの表情を浮かべているが、それでもすぐに一口、二口と口にしているのを見ると、決して口に合わないという訳ではないのだろう。
他の連中は……と見回すが、殆どの者が特に違和感なく茶碗蒸しを食べている。
なるほど。初めて茶碗蒸しを食べるから、こういう料理だと思っているのか。
実際、それはマリューも特に違和感なく茶碗蒸しを食べているのを思えば、それは決して間違いではないんだろう。
「どうしたの? 私が食べているのをじっと見て。……これが食べたいのなら、お代わりを頼んだらいいんじゃない?」
俺が自分の茶碗蒸しを狙っているとでも思ったのか、マリューがそう告げる。
「いや、そういう訳じゃない。ただ、ちょっと珍しかっただけだよ」
「……このお料理が?」
「ああ。……ほら、見てみろよ」
視線をあやか達従者組や、ネギま世界からこのスキー旅行に参加している者達へと向ける。
そこでは、少し微妙な表情を浮かべている者も多い。
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