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DQ3 そして現実へ…〜もう一人の転生者(別視点)
愛の結晶
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優勝出来なかった…
何故だか私は優勝出来なかった!
お父さんの威光を利用して、審査員達に圧力をかければ、問題なく楽に優勝すると思ってたのに…
結局優勝したのは、私の前に歌った少女だった。
お父さんにアドバイスされ、力の限りを発揮出来た女の子が優勝しやがった…
むぅ…アドバイスさえしなければ、威光を吹き飛ばす程の実力は出せなかったのに…
お父さんの威光があてにならないのなら、もう実力で上手くなるしかないじゃない…
………練習しよ…またこんな大会があった時に優勝出来るよう、頑張ろ!
「可愛さで言えば、マリーがダントツでしたから!」
ガッツリ落ち込んでいる私を励ます為か、ウルフが“歌唱力”以外のポイントで褒めてくる。
「分かったわよ!しつこいわねぇ…」
優勝発表が終わり、エコナ町長のお屋敷で食事を振る舞われる現在まで、何度となく同じ事を言い続けてくるウルフに、アルルさんもキレ気味に言ってくる。
私としては“歌唱力”を評価されたい…
この両親の娘ならば、可愛さが水準以上になるのは当然で、実力は微塵も含まれない。
『歌が上手いね!』ってチヤホヤされたいよ〜!!
「でも、今回は喉自慢大会だからねぇ…歌唱力が物を言う大会だ!ミスコンじゃないんだよ」
「そんなこと関係ない!マリーが1番だった!」
もう止めて…
惨めな気持ちになってくる…
「ウルフ君………最近君は義父に似てきたぞ………もしかして、実は血が繋がっているのか?」
暴走気味のウルフに、お兄ちゃんが突っ込みを入れるけど…
「実の息子が、実の息子らしくないから、俺がそれを補完してるんです!ちょっとは責任を感じて下さいよ!」
止まりそうにない暴走狼。
「まぁまぁ…今度参加する時は、ウチから多少手心を加えるようにと言うとくから…」
「「そんな事はダメ!」」
ちょっとエコナさんの一言に期待を寄せた瞬間、夫婦揃って拒絶する私のご両親…
まさか…今回ワザと優勝させなかったんじゃないだろうな!?
「実力が伴わない評価は、自分も他人も不幸にする!」
「そうよ!今回の評価は、マリーの実力に見合った物だったわ!」
ぐっ…た、確かにそうだけど、両親に面と向かって言われると、傷口が広がる感じに落とされる。
「リュ、リュカはん等って…結構厳しい親なんやねぇ…」
た、確かにそうね…
一見すると子供(特に娘)に甘い印象を受けるけど、王族である事を秘匿させ一般の子供達と共に学校へ通わせる態度は、身分に拘る人間ではない様だ。
そして子供達を身分に拘らない人間に育てようとしている。
「努力せずに得た地位では、向上心を持ち得ない。一生懸命に頑張って優勝したアルエットちゃんは、今後も歌の練習を続けるだろう。来年の彼女は、今日よりも歌が
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