―ラヴデュエル―
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て。明日香との会話で胸のつかえが取れたように感じながら、吹雪さんから貰ったあるプリントを明日香と見る。このまま話していてもいいのだが、今スタジアムでは、吹雪さん主催のタッグデュエル大会が行われている。
「男女ペアでタッグデュエル大会。出ないか?」
我ながらしっかりと誘ったように思えたものの、明日香は少し不機嫌そうに眉をひそめた。呆れたようにため息を吐き、明日香は小学校の先生のように言い聞かせてきた。
「まったく。久々に会ったっていうのに、もうデュエルの話?」
「それは明日香に言われたくない」
明日香にデュエルのことばかり、とは言われたくない。明日香もその言葉には自覚があるらしく、少し言葉に詰まっていた。
「……これでも、遊矢のおかげでデュエル以外にも、色々知ったつもりなんだけど」
そう小声で言った明日香だったが、自分で言って恥ずかしくなったのか、早歩きでスタジアムへの道を歩きだした。こちらに自身の顔を見せないように――その金色の長髪から覗く、赤らめた耳までは隠せていなかったが。
「タッグデュエル大会でしょ? 早く行きましょう」
そう早口でまくしたててきた明日香の後ろ姿を追い、俺もタッグデュエル大会に参加せんとスタジアムに戻る。俺と明日香のエキシビジョンマッチが終わってから、そう時間は経っていない。まだ飛び入り参加は可能だろう――と、俺たちペアの最初の試合は。
「待っていたぞ天上院くん!」
……完全に俺の存在を無視してきたサンダーだった。しかし、万丈目の隣には女子はおらず、誰がペアなのかは分からない。
「遊矢。起き上がってきたことは褒めてやろう。その褒美に明日香くんを賭けてデュエルだ!」
「私、賭事の物じゃないわ。万丈目くん」
どうやら俺の存在は忘れられていなかったようだが、万丈目の申し出は当の明日香に拒否される。しかし万丈目は、その言葉を聞いているのかいないのか、歌舞伎役者のように手を振っていた。
「もちろんさ天上院くん。分かっているとも。つまり、今から行うタッグデュエルでこの僕が勝てば、遊矢の代わりに僕がタッグパートナーになろうじゃないか!」
何も分かっていないらしいが、何にせよ俺たちペアの一回戦の相手――いや、どうやら俺たちはシードだったらしく、二回戦のようで――は、万丈目ということになるらしい。
「ところで万丈目、お前のペアは?」
「万丈目さんだ!」
答えになっていない。そしてタッグデュエル大会であるにもかかわらず、スタジアムに立っても万丈目のパートナーは現れず。……スタジアムに置いてある、人が入れるヒーローショーで使えるような《おジャマ・イエロー》の着ぐるみを除けば。さらにそのぬいぐるみに、デュエルディスクが装着されてい
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