10話 無知で愚かな人間(ヒューマン)
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は回避され、危うく、僕が蜂の巣になるところだったが、咄嗟に回避して、敵の射角から外れる。敵は目が見えていないものの、僕の動きに対して、的確に反応をしている。サイボーグではなくもうすでに二足歩行AIといったほうが正しかったのかもしれない。僕は取り敢えず敵のサイボーグから離れた。
その間、僕が置いた武器をクロノスは拾ってくれたようだ。
「頭飛ばされて動くとか、ゴキブリか?」
クロノスは僕が持ってきた銃を握り、乱射してサイボーグの気を引く。
今の立ち位置は僕がサイボーグの8時の方向、クロノスはサイボーグの1時の方向になる。
「クロノス。銃口を的確に破壊できるか?」
「あ?」
僕はクロノスに支持を出すが、ぶっきらぼうに返答される。サイボーグはクロノスに銃口が付いている5本指を向ける。クロノスは3秒間引き金を引き続けると、まず手始めに、頭無しサイボーグの指がはじけ飛び、その後肩が爆発を引き起こし、左腕部分を大幅に破損させた。これでサイボーグは最後のガンダムのように頭部と左肩部を失い、武器が削がれた状態になる。
「さすがだな。口は悪いがやるときはやるね。クロノス!」
「褒めてんのか貶してんのかどっちかにしろ」
このセリフにデジャヴを感じるな。それだけでリーナを思い出す。
「じゃあ、攻略は任せた!僕は射撃下手くそだから、先に行くね」
弾が空になったM16を拾い上げ、マガジンを取り外し、リロードする。
「ああ。後は俺に任せて先に行け。このセリフ。一度言ってみたかったんだよな」
僕はクロノスを後にし、そのまま先へと進む。
さあ、今回の戦闘で、僕とクロノスはどれだけの罪を背負っただろう。もう取り返しがつけられないな。
僕は自分に対する痛みならば受け止めてやれる。しかし、これ以上仲間が殺されたら僕は立ち直れるのか不安だ。
僕は前を向き、そのまま走る。アメリカの大統領。シャルラッハート・ワシントンを殺すために。
彼の掲げる奴隷制度を破滅が今回の目的だとすれば、サイボーグになる人間はこれ以上でなくて済むはずだ。
そんな子供染みた甘い考えで僕は進む。
「刺し違えても殺す!」
僕は今までにない殺気を快楽ではなく、敵意として示す。
…続く
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