10話 無知で愚かな人間(ヒューマン)
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から。
1つ、痛みを受ける予兆。
1つ、リーナが橋になってくれた。
リーナをトランクに詰め込み、僕は無線をつなげる。
「こちらレッドテイル。エンジェル。応答願う」
すると、ミカエルはしっかり応答した。
『こちらエンジェル。どうしました?レッドテイル』
「ウィッチが戦死した」
それを伝えると、ミカエルのすすり泣くような声が聞こえる。
『カリ…レッドテイルは大丈夫ですか?』
「僕は大声で泣いたから平気。あ、黒騎士を味方に引き入れた。これから白の帝国を攻め入る」
黒騎士は文字通りクロノス。白の帝国はホワイトハウスの伏字。
『くれぐれも無理のないようにお願いします。そちらに大事があってはすべてが駄目に成ってしまいます』
珍しく抽象的な表現のミカエル。彼女は混乱しているのだろう。最後に皆の名前を読んであげたいが、僕は通信終了とつぶやき通話を切る。
「準備出来たぞ。カリヒ」
「ああ。ありがとう。クロノス」
僕はトラックの助手席に乗った。ここからホワイトハウスの距離はさほどない。だから3時間以内につくだろう。
その頃、ミカエルはISの借りているアパートの壁に体を寄せて泣いていた。彼女にとって、リーナは姉のような柔らかい存在。
その様子を見たメリラは不思議に重い、ミカエルに近づき寄り添った。
「どうしたの?」
彼女はある程度悟った。しかし、少し脳内で誤解が生まれていて、死んだのをカリヒと解釈した。そしてミカエルが、
「リーナさんが…亡くなったそうです」
かすれた小さい声で言う。それを聞いたメリラは想像以上にダメージを受けた。彼女も釣られて涙した。
「あれ?」
大粒の涙が溢れる。
「そんな。リーナさんが?」
信じられなかった。何故自分がここまで傷ついているのかわからないほど、彼女は泣いた。
そして2人はアーシャに合流した。
「アーシャさん。落ち着いて聞いてください」
瞼を腫らして顔を赤くするミカエル。アーシャは感受性が強くもらい泣きをしそうになる。
「リーナさんが亡くなりました」
彼女も同じく、理由がわからずに傷つく。
理由は簡単だ。
リーナのふわふわした愛情は心の傷をそっとバンソーコーのように覆っていた。
SRAの中で一番傷を負っていたリーナ。それなのに、SRAの中で一番幸せそうだった。
泣きじゃくるアーシャを抱きかかえるミカエル。みんな方を寄せ合い傷を舐め合った。
「なあ。クロノス」
「なんだ?」
僕はトラックで寛ぎながら彼に聞いた。
「マシロって言っていたな。どんな女の子だった?」
彼はしぶしぶ答える。
「そうだな。外見は金髪に白の肌だった」
「外見じゃなく、中身。覚えている範囲でいい」
「全部覚えているよ。確かに小さい頃
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