10話 無知で愚かな人間(ヒューマン)
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生きたかった。贅沢は言わない。君が隣りにいてくれればいい。我儘でも、君をもっと抱きたい。もっと君を愛したい。もっと君に必要とされたかった。僕は君の愛をしっかり受け止めたい!ごめんね。リーナ」
僕は泣きわめく。それでも足りない。この世のすべてを憎み、恨むように。僕は怒号を吐き続けた。
泣いてすっきりした後、クロノスは僕の居るところへ、申し訳無さそうに歩いてきた。
「どうした?」
「俺にも…懺悔させてくれ」
「ああ。そうしてくれ」
クロノスはリーナに手を合わせて黙祷をした。これは仏教だろうか?はたまた知識の合成だろうか?
そして、クロノスは立ち上がり、俺に対面する。
「俺のことが憎いか?」
と、挑発のように言葉を紡ぐが、同様していたため、死ぬ気で居ることがバレバレである。
「愛する人が殺されて、憎くないわけ無いだろ」
僕は彼に聞こえるように声帯を軽く振動させて伝えた。
「…」
クロノスは黙った。僕の予想外のコメントに焦りを見せたと捉えられる。
「これは僕が本を読んで、自分の脳内で構築した新たな思想だ。
痛みは与えた分、受けた分がプラスマイナスゼロ。君は今までに痛みを散々受けた。僕は今までに痛みを散々与えた。だから君は僕に痛みを与えられたと考えている。
もしそれで納得ができず、リーナを殺していることに負い目を感じているのであれば、僕に協力しろ。そうしてシャルラッハートを討ち取る。いいな?」
僕は睨みつけてクロノスに伝えた。
クロノスは今まで聞いたことのない言葉を耳にして、高笑いを見せる。
「なんで?なんでお前はそこまでクールなんだ?」
そしてクロノスは続ける。
「俺がマシロを失った時、そこまで早く立ち直れなかったぞ?」
僕はマシロという人間を知らない。でもこれだけはわかる。クロノスにとって大事な人間だったということくらいは。
「なあ。クロノス。僕は君を許していない。だから君と一緒に死ぬことを選んだ。多分。僕の痛みの借金は未だ残っている。死ぬつもりなら僕も君も一緒だ。だから。死にに行こう」
クロノスは首をふる。彼は僕に協力するつもりであるものの、死という断片的で不明なものに恐怖していたのだ。
「いいや。一緒に生きて帰ろうぜ。カリヒ。お前が死んだら、誰がリーナを弔うんだよ」
「知らなかったか?僕は君と違って人望が厚いんだ。だから僕が居なくてもリーナを供養してくれる仲間はいるし、僕が死んでも、君が死んでも、僕の仲間hはリーナ同様、同じ墓に入れてくれるさ」
僕はクロノスに皮肉と挑発を混ぜたコメントを告げる。
「ああ。わかった。今、シャルラッハートはホワイトハウスにいる」
「君、運転は出来るか?攻め入るぞ」
1つ、悪感情はすべて別人格やエアフレンドに押し付けている
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