暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
Side Story
無限不調和なカンタータ 6
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界は雑音だらけで、音の理解者には発狂ものだぞ』

 昨夜までのアンタも、その雑音の一部だったけどね!

「ああ、それで僕が必要だって」
「そうよ……なに?」

 隣に立った私をじっと見下ろす二つのハチミツ玉。
 微妙に揺れてる?

「また、怒鳴られちゃうかなあ?」
「内容次第では、握り拳も付けるわよ」
「あぅ」

 何か言いたげに唇を開きかけて目線を逸らし。
 また、私の顔を見て頬を赤らめ。
 って、あんたはどこの恥じらい乙女だ!?
 なよヒョロ体型とはいえ、男がする仕草じゃないでしょ、それ!

「えーと、その……、昨日から考えてたんだけどね?」

 何かを決心したらしい。
 一つ頷いたカールが背筋を伸ばし、私と向かい合わせに立つ。
 落ちそうになったアオイデーは、慌ててカールの右肩へ飛び移った。

「僕……」
「?」

 首を傾けつつ両手の甲を腰に当て。
 用があるなら早く言えと、態度で催促してみる。
 カールは至って真剣な表情で。

「僕、村へ帰ろうと思う」

 …………そう来るか。



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