第十三話 オレのカトレア
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「あ、はい、どうぞ」
マクシミリアンはベッドの横の椅子に腰掛けた。
椅子に座って、気付かれないように息を整える、が、ドクドクとマクシミリアンの心拍数は上がる一方だ。
「激しい運動はすぐには無理だけど、一週間ほど様子を見て少しづつ身体を慣らしていこう」
「分かりました。けど、一週間が待ちどうしいです。色々な所へ行って見たいわ」
「焦る事は無いよ、カトレアにはこれから新しい生活が始まるんだ」
「うふふ、そうですね……」
「……」
「……」
ふと、会話が止まった。
「なぁ、カトレア。隣、いいかな?」
「はい、どうぞ」
マクシミリアンはベッドに腰掛け、カトレアと肩が触れ合うほど接近した。
自然と、頬と頬とが触れ合う。カトレアの心臓の音がドクドクと聞こえる。
「マクシミリアンさまの心臓……ドクドクいってます」
「カトレアのも……ね。この分なら術後の検査も早く済みそうだ」
「もう! そういう事が聞きたいんじゃないんです!」
カトレアが拗ねてしまった。
「ははは……ごめんよ、カトレア」
「マクシミリアンさま。ちゃんと言ってくれないと不安になってしまいます」
「……うん、大好きだカトレア。キス……するよ?」
と、耳元で呟いた
「わたしも……キスしたいです」
「カトレア」
「愛してますマクシミリアンさま」
……触れ合う唇。
すると、廊下から歓声が上がった。
聞き耳を立てている事はマクシミリアンも気付いていた。
良い様にお膳立てされたのは気に食わないが、ようやく手に入れた愛しい人を、離すまいと強めに抱き寄せ、深く深くキスをした。
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