月面基地襲撃
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また、僚機が墜ちた。敵の射線にいたわけでもない味方が突然落ちるのだ、モニター上ではありえない事態がおこっていた。ギルバートの部隊も元は36機いたがもう10機近くが撃墜されていた。
ナハトファルケは、ファルケを黒く染めただけのカラーバリエーション機体ではない。機体には、特殊装甲と瞬間隠蔽装置、通称IHS(イフス)が搭載されており先ほどの射線上にいなかったレオーネが突然落ちた絡繰りは、特殊装甲の効果でありその効果は、レーダーの反射角を屈折させて人為的な蜃気楼を発生させているためHMDのモニターに映る敵機の位置と実際の敵機の位置がずれているため射線にいなかった味方が突然墜ちるという現象が発生しているのだ。
一方、格納庫では整備班や新型EMのパイロットを全員殺害したオルランドたちが新型SAのコクピットに乗り込み機体の生体認証の登録を終えていた。
『・・・生体認証完了。いつでも出れるよ?』
『こっちも、OKだぜ。オルランドは?』
『問題ありません。そちらは?』
「・・・これだけ、認証登録されてやがる。奥の手使って登録を無理やり書き換える」
ハヤトは、そう言うや否や生体認証システム用のコンソールのデバイス挿入口に右腕に装備していたウェアラブルコンピューターから延ばしたコードを挿入し高速でキーボードを叩き始めた。
本来、生体認証というのは一度設定されたら二度と変更することができないがSAのシステム上そんなことをしてしまっては部隊を再編・統合した際に不都合が生じるため、二段階式の生体認証システムになっている。彼が、やろうとしているのは二段階のうちの一段目の再初期化である。PCを用いた演算においてハヤトは、軍内部でも屈指の才能をもっているためこのような芸当が可能なのである。
「・・・・・・認証解除完了。再設定、登録完了です。オルランド」
「はい、了解です。レーヴェ1よりCP」
『こちらCP。レーヴェ1へ首尾は?』
「奪取に成功しました。シュバルツェアグランツは?」
『現空域上空にて光学迷彩を展開して待機中です。』
「レーヴェ1了解。ストーム中隊にも撤退命令を」
そう言って、オルランドは通信を切った。
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