月面基地襲撃
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。NF66中隊支援砲をダウンワード方式で展開し突入殻の一部を足場にして発射した。
大気のない宇宙では聞こえないであろうが、もしこれを大気圏内で撃ったのなら耳を劈く爆発音を轟かせたであろう。発射された120ミリ徹甲榴弾がハンガーに着弾し、大きな火の手を上げた。
『ストーム1より中隊各機へ。全兵装自由、嵐のように敵陣を荒らし尽くせ!』
『「了解」』
中隊長の号令と共に、俺たちは月面基地へ向けて飛翔した。
ハンガーが爆発した同時刻、人類統制機構の制服を着た4人の若者がいた。彼らの足元には、グチャグチャになった夥しい数の肉塊が血の海を作り彼らの服も飛び散った血により、1部が変色していた。
「始まりましたね。・・・そろそろ、行きますか」
先頭に立った長身青髪メガネの青年ーオルランド・バルビエリが、後方を振り返り尋ねる。
「・・・ん。了解・・・」
彼より頭1つ半背の低い灰髪碧眼の少女ーアーデルハイト・フォンローゼンハイムが両手に、血に染まったナイフを握ったまま無表情に答える。
「アーデは、もう少しリラックスしたほうがいいっすよ。そう思うっしょ、ハヤト?」
「・・・・・・ガーウィンは、少し緊張感を持つべきだ。あんたは、リラックスし過ぎだ」
金髪茶目の少年ーガーウィン・チェンバレンの質問に、黒髪に青いバイザーをつけた神流隼人は、血油を払った刀を納めた後に肩を竦めて答える。
「はいはい。僕たちの仕事は、人類統制機構から虎の子をいただくことですから」
オルランドの言葉を聞いて、2人とも表情を引き締めた。彼らの進む先には、人類統制機構が新たに開発した新型EMの格納庫があり彼らは、それを奪いに来た宇宙解放戦線軍のEMパイロットであり突入班だった。
「あいよ。閃光手榴弾入れて、アーデとハヤトが突入して俺らが後方支援っしょ?」
ガーウィンが、背に背負ったライフルケースからドラグノフとステアーAUGを取り出し、ステアーをアーデに手渡す。彼女は、それを受け取って自然に安全装置を解除する。
「さて、行きましょう」
オルランドが、扉のパスコードを解除し扉の隙間から閃光手榴弾を投げ込んだ。
月面では、ナハトファルケとスクード、それと増援で出撃したレオーネが生と死のやり取りを交わしていた。実際には、一方的な死をナハトファルケが与えているだけである。
(くそっ、ここが後方だから油断した!新型SAの情報がどっかで漏れたのか?)
レオーネのパイロットで、新型EMのパイロットたちの護衛で来ていたギルバート・フォーゲルは心中で悪態をつきながら必死で機体を操り銃撃を回避していた。
『た、大尉。増えー・・・』
「!?ジャック、くそ
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