第九幕その八
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「この牧場にね」
「そういうことですね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「この牧場は広いから」
「迷子にならない様にですね」
「気をつけてね」
ナターシャにこのことを言うのでした。
「くれぐれもね」
「わかりました」
「ミシェルさんはとてもいい人だけれど」
それでもというのです。
「とにかく広いから」
「道に迷わないこと」
「そのことには気をつけてね」
こう念押しをしてでした、お馬さんに案内されてそうして牧場の正門のところに来ました、お馬さんがそこに来ますと。
牧場の中にいたギリキンの服の小さな男の子が来てです、門を開けてからお馬さんに言いました。
「お帰り」
「うん、只今」
「お客さん達を連れて来たみたいだけれど」
男の子はオズマを見て言いました。
「オズマ姫が」
「そう、来られたんだ」
「何かあったんですか?」
男の子はオズマ本人に尋ねました。
「一体」
「ええ、実はね」
オズマは男の子にここまで来た事情をお話しました。
そのお話を聞いてです、男の子は言いました。
「そうですか、お肉をですか」
「ミシェルさんはおられるかしら」
「お父さんですね、いますよ」
男の子はオズマに笑顔で答えました。
「牧場の中に」
「そう、それじゃあね」
「お父さんにお話をして」
「お肉を頂くわ、そしてお礼にね」
エメラルドを出して言うのでした、とても大きなそれを出して。
「これをね」
「うわ、凄く大きいですね」
「どうぞってね」
「そんなのもらうなんて」
「いいのよ、お礼だから」
それでと答えたオズマでした。
「とにかくね」
「はい、お父さんに会ってですね」
「お話をするわ」
そのミシェルさんにもというのです。
「これからね」
「わかったわ、それじゃあね」
男の子とお話をしてでした、そして。
お馬さんはオズマにです、こう言いました。
「じゃあこれからね」
「うん、ご主人のところに行って」
「そしてね」
「直接お話をするんですね」
「そうするわ、それじゃあね」
「また会おうね」
「うん、それじゃあね」
笑顔で別れの挨拶をしました、そしてお馬さんは男の子と一緒に牧場の向こう側に行ってでした。オズマは彼等を見送ってです。
オズマはあらためてです、ナターシャ達に言いました。
「じゃあ今からね」
「ミシェルさんのところにね」
「行きましょう」
「それじゃあね」
こうお話してでした、そのうえで。
皆でミシェルさんを探しだしました、ですが。
牧場はかなり広くて中々見付かりそうになりません、ですが。
ここで、です。ハンクが皆に言いました。
「誰かに聞く?」
「牧場の中にいる牛さんか馬さんに」
「うん、だってこんな
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ