第九幕その七
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「今から」
「いいよ、じゃあ一緒に行こう」
「それではね」
「それにしてもこのお馬さん」
ナターシャはお馬さんをじっと見て言いました。
「凄く大きくて立派な身体をしてるわね」
「そうね、乗ったら凄くね」
そしてというのです。
「速く走れそうね」
「自信あるよ、僕は牧場で一番足が速いんだ」
「そうなの」
「そうだよ、もう一日で千キロは走られるよ」
「それは無理じゃないの?」
「無理じゃないよ、速くて寝ている時以外はどれだけでも走られるからね」
だからだというのです。
「食べることはしてもね」
「それで一日千キロもなのね」
「走られるよ」
「それは凄いわね」
「だからね」
それでというのです。
「僕に乗りたい時は何時でも言ってね」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「貴方はとても大きいから」
小学生のナターシャから見ればです、お馬さんは見上げる位に大きいです。
それで、です。ナターシャはこう言うのでした。
「私には乗れないわ」
「私も無理ね」
オズマも言います。
「貴方には乗れないわ」
「僕でやっとかな」
木樵はこう言いました。
「君に乗れる大きさかな」
「木樵さん位かな」
「そうみたいだよ、けれど僕は今は君に乗らないでね」
そしてというのです。
「歩いていくよ」
「そうするのね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「気を使わなくていいよ」
「わかったよ、じゃあね」
「一緒に行こう」
こう言ったのはハンクでした。
「牧場までね」
「うん、そういえば君はいつもトロットさんと一緒にいると聞いたけれど」
「今回は違うんだ」
ハンクはお馬さんにすぐに答えました。
「オズマ姫と一緒なんだ」
「そうなのね」
「うん、こうした時もあるよ」
「そうなのね」
「そう、だからね」
それでというのです。
「そのことも気にしないで」
「それじゃあね」
こうお話してでした、そのうえで。
皆で一緒にでした、お馬さんの案内を受けて牧場に向かいました。その牧場は暫く進むと見えてきましたが。
その柵に囲まれた牧場を見てです、ナターシャはその湖みたいな目を一旦瞬かせてからそのうえで言いました。
「これはまた」
「広いね」
「ええ、こんな広い牧場は」
それこそと言うのです、お馬さんに答えて。
「見たことがないわ」
「オズの国の牧場は何処も広いけれどね」
「この牧場はなのね」
「特に広くてね」
「それでよね」
「オズの国で一番美味しいお肉とミルクがあるんだ」
「だから私達も来たのよ」
オズマがナターシャに言います。
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