10.EDからの旅立ち
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「ああぁぁぁぁぁぁ!!
なんでなんだよ!オレのゼシカ!!」
赤い生命体が騒ぐ理由は、エイトがゼシカと結婚するからです。
自分で結婚を止めろと言ったのが仇になり、何故かゼシカとエイトの結婚式に早変わり。
奥様やガキんちょがいつの間にか来ているし、ゼシカはウェディングドレスだし。
ククールとしては悲鳴をあげるしかないようです。
赤い生命体はナンパしていればいいんです。
奥さんはいりません。
クロノスは真顔で二人を祝うので、ククールの調子は狂うばかり。
真顔ですから、真顔。
結局女性ものを着ずに旅が終わったクロノスにゼシカは・・・
「次のウェディングドレスを着るのは、あなたね」
と言うものですから、さらにククールが悲鳴をあげます。
「すでに相手がいんのかよ!!」
落ち着け、もちつけ、ククールさん。
いつか煩くて赤い生命体以下にされますが。
そんな赤い生命体は放置して、クロノスの今後を考えました。
結婚式まではトロデーン王国内で働かせてもらいましたが、いつまでも甘える訳にはいきません。
かといって赤い生命体はいりませんし。
ヤンガスにはゲルダが、エイトにはゼシカが、ミーティア姫にはトロデ王がいるわけです。
結婚式を挙げ終えた二人の夫婦は、そんなクロノスを発見し、話しかけました。
「旅に出るのかしら?」
「ククールは捨てて一人の方が絶対いいよ」
「・・・そうだな」
「その『そうだな』はどっちの!?」
叫び声は空耳でしょう。
クロノスは旅と言われ、あることを考え付きました。
それは行方不明のあの人を探すことです。
探されても不本意だとは思いますが。
「マルチェロを探す」
「二階からイヤミね〜そんなにいい?」
「聖地破壊した大罪人か。賞金いくらかな」
勇者がすごい発言をしましたが、スルーします。
クロノスは大真面目ですから。
「兄貴をさがすならオレも行くぜ」
「ククールも?なんか破綻しそうね」
「・・・ひどっ」
そうは言いつつも二人がマルチェロを探す理由は、あると言ったらあるでしょう。
クロノスはかつての上司の後始末を。
ククールは一応兄貴であるマルチェロの後始末を。
エイトは仕方なく、ククールに大量の荷物を預けました。
装備品やカジノコイン、消費アイテムなどなど。
「ククール、これを売って金にしてね」
「だから破綻なんかさせねぇよ!!」
「それとお兄さんと合流したら仲良くしなよ・・・」
「死ぬ前のじいさんかよ、エイトは!!」
そう言いながらも受けとる時点でククールはククールですが。
クロノスはやたらとキラキラするドレスを見ながら、笑います。
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