マブラヴ
1235話
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。
だが、このスキー場は俺達の貸し切りだ。
更には夕呼のようにスキー場には来ず、寒いのを嫌って温泉三昧を楽しんでいる者もおり、余計にゲレンデに出ている人数は少ない。
つまり……
「あら、アクセル。一緒に行く?」
「ああ、そうさせて貰うよ」
シェリルと短く言葉を交わし、特に並ぶ事もせず2人で一緒にリフトへと乗る。……リフトだと座るか?
「貸し切りだと、わざわざ並ばなくてもいいのが便利よね」
「そうだな。ただ、この世界だからこそ出来た事なんだろうけど」
普通であれば、幾ら客が少なくてもそう簡単にスキー場と宿の貸し切りとか出来る事ではない。
特に、わざわざ崇継や恭子といった面子がやってくるのだ。元々客の少ない場所であっても、それなりの宿だったりするのは間違いない。
……あのボロさを考えると、考え過ぎかもしれないが。
実際、このスキー場にはリフトはあってもゴンドラはない訳だし。
宿も俺達の部屋はエアコンの類じゃなく薪ストーブだし。
まぁ、マブラヴ世界の情緒を味わうという意味では、それもまた楽しんでるんだけど。
……もしかして、実はこれもサービスだったりするのか?
「それにしてもシェリルがスキーを出来るってのは驚きだったな」
「別にそんなに驚く事でもないでしょ? 元々身体を動かすのはそんなに苦手って訳じゃないんだし」
「そうか? ……そう言えばそうだったな」
確かにシェリルは実働班のように本格的な戦闘訓練をしている訳ではない。
だがシャドウミラーの広告塔としての役割があり、更にはシャドウミラーの代表でもある俺の恋人だ。
更に更に、シェリル自身がマクロス世界……のみならず、他の世界でも莫大な人気を誇る歌手でもある。
当然何らかのトラブルに巻き込まれる可能性も高く、この手の職業の常として行き過ぎたファンやストーカーといった問題も出てくる。……というか、出てきていた。
だからこそ、自衛が出来る程度にはエヴァに鍛えて貰っている。
しかもエヴァの感覚での自衛だから、その辺の軍人や戦士といった者達より余程強い。
それこそ、小型種のBETA程度であれば生身でどうにか出来るんじゃないかと思う程に。
そんなシェリルだけに、スキーのやり方を覚えるのにそんなに苦労はしなかったのだろう。
「じゃ、アクセル。上に着いたらどっちが早く下まで到着するか勝負しましょうか」
輝くような笑みと共に、シェリルはそう告げるのだった。
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