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リリなのinボクらの太陽サーガ
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のは初めてだよ』

「ふ〜ん、天才科学者なのに意外だ」

『これでも囚われの身に近い扱いだからね。いつもはあの脳ミソ連中に命令されて作って、命令されて作って……そんな事ばかり繰り返してきた。そしてどんなに良いものを作っても、お礼を言われるような事は一度も無かった。だから……新鮮なんだ。君達に頼まれて作って、それでお礼を言われるなんて経験は』

「そっか……」

『不思議だよ、今までずっと求めていた達成感をこんな簡単に感じられるなんて。今の私はまるで無垢な子供のように、純粋な喜びを感じている』

「それは承認欲求が満たされたから、じゃないかな? 認められたい、頼られたい、そんな自己顕示欲みたいな感情がずっと燻っていて、それが満たされたからあんたは喜んでいる。違う?」

『いや、十中八九その通りだろう。どうやら私の思考は、自分が思っていた以上に単純だったらしい』

「単純でもいいじゃん。私だって似たようなものだし、高町やジャンゴさんも例外じゃない。それにさ、もっと喜ぶ出来事が起きる可能性もあるよ」

『ほう? それはどういうものだい?』

「高町がかつての名声を超え、世界に舞い戻った時。それはある意味、あんたの技術で作られた義手が世界に認められた瞬間とも言い換えられる」

『クックックッ、なるほど。それはまた随分と楽しみな事を言ってくれるじゃないか……! 良いだろう、面白い事を教えてくれた礼にこちらから少し情報提供をしよう』

「情報?」

『黒き戦乙女……この意味を君は知ってるだろう?』

「カリムの預言で聞いた事がある。加護がどうのって……それが?」

『実はこの少女が実際に現れたのだよ。まぁ、すぐに消え去ったのだけどね』

「現れて……消えた?」

『そう、まるで様子だけを見に来たように、一瞬でいなくなったのさ。……任務が終わった直後の八神はやての視界から』

「は、八神? なんでここに八神が出てくるんだ? というか何で他人のあんたに八神の見てる光景がわかるのさ」

『ちょっと色々あってね。まあとにかく、あまりに一瞬だったので八神はやてはカラスか何かの見間違いと思って気にせずにいるけど、空間を分析して実際に存在していた事は確認している。私としては非常に興味深い対象だから、もし遭遇するような事があれば会話や外見、能力などの記録を送ってもらいたいのだが……そこまで求めるのは贅沢か。ま、ひとまず黒き戦乙女が現れた、これが今回の情報提供の内容さ』

「そう……まあ黒き戦乙女の正体には私も興味はある。彼女が現れたというなら、もしどこかで会えた時に話してみるのも良いかもしれない。サンキュ、良い情報ありがとね」

そうしてマキナとスカリエッティは、内密の通信を切るのであった。




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