アウターヘブン
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いうかマキナちゃん達はともかく、おてんこさまも何で驚いてるの!? ダンボール箱に隠れても普通意味ないでしょ!?」
「何て馬鹿な事を言うんだ高町なのは! ダンボール箱は敵の目を欺くのに最高の偽装と言える。潜入任務の必需品だ! ダンボール箱に命を救われたという工作員は古来より数知れないんだぞ!」
「あれ!? なんか私の方が怒られてる!?」
「おてんこさま、もしかして皆これを使ってきたの?」
「当たり前だ、ジャンゴ! ダンボール箱をいかに使いこなすかが任務の成否を決定すると言っても過言ではないだろう。ただし、いかにダンボール箱といえど素材は紙だ。手荒い扱いをすると、すぐに駄目になるぞ。とにかくダンボール箱は大事に使え。丁寧に扱えばダンボール箱もきっと応えてくれる。彼らのように真心を込めて使うんだ。必要なのはダンボール箱に対する愛情。粗略な扱いは絶対に許さんぞ、いいな!?」
「そう……じゃあどうして世紀末世界で教えてくれなかったの? そこまで大事なら、イストラカンで初めて出会った頃に教えてくれても良かったのに」
「どうしてかだと!? それは……」
「それは?」
ジャンゴの純粋な疑問におてんこは血涙を流しかねない程の苦渋に満ちた表情を浮かべ、まるで旧来の友を目の前で何も出来ずに失ったかのような無念の気持ちがこもった口調で答える。
「世紀末世界に、もうダンボール箱が無いんだ……! まことに……まっことに残念な事にッ!! 製造技術も、残存している物も、世紀末世界には何一つ残っていないんだ!! あの最高で究極、至高の品物を人間社会から失わせたのは、これまでイモータルが成し遂げた事の中でも最大の成果だろうな!!」
「世界中の吸血変異や絶対存在の覚醒よりも上なんだ……」
「当然だ! ダンボール箱の喪失は世紀末世界の幻肢痛と言っても過言ではない!! ……ああ、考えるだけで何だか無性に腹が立ってきた! ジャンゴ、何としてもイモータルの思い通りにしてはならん! 絶対に世界(のダンボール箱)を守り抜くんだ!!」
「間に何か入ってる気がするけど……それはわかったよ。ところで次元世界に来た以上、せっかくなら……いや、もう正直に言うよ。このダンボール箱を見てたら僕も無性に被りたくなった。いや、被らなければならないという使命感を感じたという方が正しいかもしれない」
「ジャンゴさんまでそっち側に行っちゃダメぇ〜!!!??」
「もう諦めとけ、なのは。姉御達の常識や行動にいちいちツッコんでたら身がもたねぇぞ。アタシも通った道だからなのはの気持ちも分からなくはないが、半月も一緒に居れば今までの常識が崩れてそのうち慣れるからよ」
「いやいや常識崩しちゃだめだよね!? もっと常識大事にしてよ!」
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