Epilogue -エピローグ-
Returnees
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の細さはSAOの時よりマシになってはいるが、それでもやっぱり女顔だ。たつきと並んだら、勇ましさって点じゃあコイツが負けそうだ。
その隣にいるのは、アスナこと結城明日奈。
こっちもこっちで血盟騎士団の制服を彷彿とさせる白いアウターに赤い生地のアーガイル柄のスカートを着ている。こっちで再会したSAO組の中で、俺の髪の毛が現実でもオレンジってことに一番ビックリしてたのがコイツだったりする。
んで、最後の一人は……って!
「チャ、チャド!?」
「……ム? 一護か、久しぶりだな。元気そうで何よりだ」
俺の驚きの声に、チャドは相変わらずの低い声で答え、片手を上げて挨拶を返してきた。ブルゾンに包まれた筋骨隆々の肉体も、全然変わってない。
「いつ日本に帰ったんだよ。見舞い代わりにくれた手紙じゃ、今年いっぱいはメキシコにいるって話だったじゃねーか」
「そのつもりだったんだが……今日は、例のゲームで死んでしまった友人の命日だったからな。墓の場所は知らなかったが、ここに慰霊碑があると聞いた。だから昨日帰国して、墓参りの代わりにここへ来たんだ」
「……ああ、成る程。そういうことかよ」
そういや手紙にそんなことも書いてあったな、と今更ながらに思い出す。
「それで、同じように慰霊に来た私たちと偶々会って、お話してたらなんか打ち解けちゃって、それでここまで一緒に来たって感じかな。最初は寡黙でちょっと怖かったけど、優しくていい人だね、茶渡さんって」
「ああ。口が悪いエギルにも是非見習ってほしいくらいだな」
「それ、キリト君が言えたことじゃないでしょー?」
エギルとチャドが並んでたら、多分誰も近寄らねえだろうな。絵面の迫力的に。
余計な感想を抱きつつ、大体の事情を聞いて俺が納得していると、袖が引っ張られた。見ると、リーナが俺の袖を無言でくいくいと引きながら見上げていた。その顔には分かりやすく「この人だれ?」って感じの表情が浮かんでいる。
「ああ、俺の中学からのダチだ。茶渡泰虎。こんなデカい見た目してるけど、俺と同年代だ。
んでチャド、コイツがこの前手紙で言ってたリーナこと――」
「東伏見莉那です。初めまして」
礼儀正しくリーナが頭を下げる。それに合わせ、チャドも会釈を返した。
「こちらこそ、初めまして東伏見。二年間、一護が世話になったみたいだな」
「ん。本当に、大変だった」
「おい、ちょっとは謙遜とかしたらどうだテメー」
しれっと全面肯定しやがったリーナを睨む。いや確かに世話になったけどよ。
「……ところで一護、その手に持った袋、井上のバイト先に行ったのか?」
「あ? ああ、まあな。コイツの退院祝いってヤツだ」
井上が戻ってくる前に退散した方がいい
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