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Deathberry and Deathgame
Epilogue -エピローグ-
Returnees
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……」

 井上が顔を俯かせ、小刻みに震え始める。「男女七歳にして同衾せず」的な怒りなのか。つか、コイツそんなキャラだったっけか。

 カフェオレ入りのグラスを傾けながら、どうでもいいことを考えていると、今度は俺の真向かいに座っていたリーナが俺に視線を向けてきた。

「……ねえ、一護。そのルキアって人は、どんな人なの?」
「ルキア? アイツは……まあなんつーか、恩人かつ友人、みてえな感じか?」
「その人は今どこに?」
「すっげえ遠いトコで、なんか忙しくしてるみてえだ」
「同棲期間は?」
「だから同棲じゃねえっつの……ウチにいたのは、全部ひっくるめて大体二か月かそこらじゃねえか?」
「……そう、良かった」

 勝算はありそう、とリーナは真面目な顔つきで呟き、食べかけだったBLTサンドを口の中に押し込んだ。勝算って、ルキアとやり合う気かよコイツ。いくらオメーがSAOで最強クラスの短剣使いでも、流石に死神相手、それも副隊長のルキアには勝てねえと思うぞ? 言っても通じねえだろうから言わねえけどよ。

「ね、ねえ黒崎くん」

 再起動したっぽい井上が話しかけてきた。相変わらず目が笑ってない。つかコイツ、バイト中なのに俺のトコに居っぱなしでいいのかよ。混んでくる昼時だってのに。

「なんだよ」
「明日さ、黒崎くんの家に行ってもいいかな? 話したいこともあるし、久しぶりに遊子ちゃんや夏梨ちゃんにも会いたいし」
「いいんじゃねえか? 井上が来ると、遊子も喜ぶしな。面倒じゃなけりゃ、またアイツらに勉強でも教えてやってくれよ」
「うん、全然大丈夫だよ! あ、またお菓子の差し入れも持ってってあげるね。何がいいかなあ。夏梨ちゃんは甘すぎるのは苦手って言ってたし、この前はレモンカスタードパイだったし……」

 頬に指を当て井上は思案顔を作る。よく分かんねえが、表情は元に戻ったし、とりあえず険悪ムード解消……、

「……一護、どういうこと?」

 しなかった。

 今度はリーナの機嫌が急降下してやがった。表情が無いどころかマイナスに突入してそうなレベルで欠落してる。最近やっと見慣れた黒髪の下の碧眼が、氷並に冷え切った視線を俺に送っている。

 ……なんで昼飯食ってるだけなのに、こんな気疲れしてんだよクソッタレ。

 SAOクリアからちょうど一年。

 リーナの退院記念ってことで連れてきたはずの昼食は、殺伐とした空気のまんま過ぎて行った。



 ◆



 俺が茅場を倒した日、『ソードアート・オンライン』に囚われていた七千人ちょっとのプレイヤーのほとんどは、無事に現実に帰還できていた、らしい。

 ほとんど、とか、らしい、ってのは、俺を含めた三百人が別のVR関連の事件に巻き込まれてて、現実に帰
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